加工例1(コード編)

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このページでは、私の加工方法について公開します。

CNCソフトはMach2、Gコードの作成はDesKAM2000を使用します。

これから作成するパーツです。裏面は平面になっています。

POMの板材からくりぬいて作成します。

(この3Dソフトは使い始めたばかりなので、角をどうやって切り落とすか分からなかったのでとがった部分は無視してください)

1.作図

今回作成するパーツは、厚さが12mmですが、POMの板材は少し厚めになっているので、面はねをします。

また、使用する刃は3mmの1枚刃を使用します。

図の緑色の線は、面はね用です。また、部品は3mmの刃を使用することを考慮し3mm+0.5mmオフセットして作図しています。

4隅の二重丸のところは、内側の赤い丸の部分に穴を開け、M4のタップでねじを切ります。

2.Gコードの作成

実際の加工工程を考えてGコードを作成します。

DesKAM2000の場合、1工程づつしかコードを作成できない為、今回は各工程のコードを作成し、テキストエディタで1本にまとめます。

@面はね

Aポケット加工(大きい円:1箇所)

Bポケット加工(小さい円:3箇所)

C輪郭加工(外側外周、内側の穴、ねじ用穴)

片面分のGコード作成が終わったら、反対の面の面はねデータの作成します。

D面はね

@面はね

切削材料の上面をZ軸0として、0.2mm切り込みます。

1.Select Singleで、外側の線を選択します。
2.Pocketを選択し切削条件の設定を行います。

 設定値を入力し、Pocketボタンを押します。以下は私が使用した設定値です。

 切り込み量(Pocket Depth):0.2mm

 刃の直径(Tool Diameter):3mm

 X軸Y軸の切削速度(Feedrate):250

 Z軸の切削速度(Plunge Rate):50

出来上がったツールパス(平面表示)
出来上がったツールパス(3D表示)
Aポケット加工(大きい円:1箇所)

前の面はねをした面から1.6mm掘り込むので切り込み量は1.8mmとなります。

1.Select Singleで、内側の大きい円を選択します。
2.Pocketを選択し切削条件の設定を行います。

 設定値を入力し、Pocketボタンを押します。以下は私が使用した設定値です。

 切り込み量(Pocket Depth):1.8mm

 刃の直径(Tool Diameter):3mm

 X軸Y軸の切削速度(Feedrate):250

 Z軸の切削速度(Plunge Rate):50

出来上がったツールパス(平面表示)
出来上がったツールパス(3D表示)
Bポケット加工(小さい円:3箇所)

前のポケット加工面から5mm掘り込むので切り込み量は6.8mmとなります。

1.Select Singleで、内側の大きい円を選択します。
2.Pocketを選択し切削条件の設定を行います。

 設定値を入力し、Pocketボタンを押します。以下は私が使用した設定値です。

 切り込み量(Pocket Depth):6.8mm

 刃の直径(Tool Diameter):3mm

 X軸Y軸の切削速度(Feedrate):250

 Z軸の切削速度(Plunge Rate):50

出来上がったツールパス(平面表示)
出来上がったツールパス(3D表示)
C輪郭加工(外側外周、内側の穴、ねじ用穴)

12mm厚のPOMは実際には少し厚いので、切り込み量は12.5mmとしました。

1.Select Singleで、外側外周を選択します。
2.EditのReverse Dir of Selected Regionsで、矢印の方向を逆にします。
3.Select Singleで、残りの部分を選択します。
4.Pocketを選択し切削条件の設定を行います。

 設定値を入力し、Contourボタンを押します。以下は私が使用した設定値です。

 切り込み量(Pocket Depth):6.8mm

 刃の直径(Tool Diameter):3mm

 X軸Y軸の切削速度(Feedrate):250

 Z軸の切削速度(Plunge Rate):50

出来上がったツールパス(平面表示)
出来上がったツールパス(3D表示)
3.Gコードファイルの結合

@からCまでの各工程で作成したGコードをテキストエディタで結合します。

(私のDesKAM2000の設定は、Gコードの最後にM02をつけるようになっています。)

ここでは、前のGコードの最後のZ軸を上げた後に次のGコードを貼り付けますが、この時、次のGコードのヘッダー部分からX軸、Y軸が原点に移動するコードまでを削除します。

この作業は、@からCをつなぐには3箇所編集します。

これで、片面のGコードが完成です。

Mach2で表示させると、このようになります。
4.裏面のGコード作成

裏面は、面はねのみ行います。

面はね用に下図のようなDXFの図面を用意します。

D面はね(裏面)

12mm厚のPOMは実際には少し厚いので、切り込み量は12.5mmとしました。

1.Select Singleで、外側外周を選択します。
2.Pocketを選択し切削条件の設定を行います。

 設定値を入力し、Pocketボタンを押します。以下は私が使用した設定値です。

 切り込み量(Pocket Depth):0.2mm

 刃の直径(Tool Diameter):3mm

 X軸Y軸の切削速度(Feedrate):250

 Z軸の切削速度(Plunge Rate):50

出来上がったツールパス(平面表示)
出来上がったツールパス(3D表示)
これで、Gコードの作成は終了です。