原宿の夜、BOF

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VRML(Virtual Reality Modeling Language)のBird-Of-Featherに行ってきました。今回のメインは SIGGRAPH '97でも紹介された Bliss。 これを使い今回初挑戦となる、太平洋をまたにかけた(?)デモが行われました。


日時:1997/9/20(土) 19:30~23:30

場所:Cybernet Cafe (原宿 FACE Building OZ City 6F)

 7時半をまわった頃、会場のCybernet Cafeに入ると、既に数十人の人が 入っていて、思い思いのスタイルでドリンク片手におしゃべりを楽しんでました。 私もその中に溶け込もう……と思っていると大学の先輩と遭遇。軽食をつまみ ながらひとしきり昔の事や今の事をダベりました。

プレゼンの様子

 8時半、今回のイベントに協力するSGI から、David Frerichs氏と Shinya Matsuoka氏 による、自社におけるVRMLへの取り組みについてプレゼンテーションが行われました。 プレゼン内容もさることながら、説明に使っていた CosmoPlayer 2.0(内部リリース版)も注意を引いていました。説明の途中で発せられた、 「(CosmoPlayerの)Mac版が欲しい人、拍手!」との声には、 多くの人が応えてました(私もその一人(^^;))。

 さて、9時を過ぎて、いよいよ太平洋をまたいだデモの開始。アメリカ・ カリフォルニア州はマウンテンビューにあるSGI社でパフォーマンスする人間の 動きを捉えたVRMLのデータと、それに同期した音声をリアルタイムで配信しよう というものです。ま、詳しい説明は他の記事に任せるとして、 ブラウザの中でキャラクタが飛んだり跳ねたりしながら喋りまくる (コギャル口調で^^;)様はとても楽しかったです。

データの流れ

Bliss踊る  今回のデモでは、これだけの長距離をデータ伝送するのは初めてという ことで、事前の 準備は大変だったようです。特にアメリカの方では時間帯が夜明け前だった とか……、お疲れ様でした。

 デモとしては、SGIのイントラネット経由で日本に送られてきたデータをISDNの 回線に移し換えて会場へ転送していることもあって、キャラクタの動きや声が 途切れる面も幾らかありました。「今、このデータが海の向こうから流れて きてるんだな」と思うと感動もひとしおですが、音の途切れ具合が “マックス・ヘッドルーム” を思い起こさせ、ちょっとおかしな、でも何となくサイバーな(?) 雰囲気でした。Bliss潰れる (セッションが終わってアメリカと日本をつないでいた回線が遮断された時、 頭が徐々にひしゃげて陥没してゆく映像もグー^^;でした。)

 一通りデモが終わると、今度はVRMLの先駆け、 Mark Pesce氏が このデモ・システムを通じて会場からの質問に答えてくれました。 VRMLの将来を占う上で、こういった新規技術の重要性については同氏もたびたび 強調していました。

 9時半、デモと質疑応答が終わり、参加者は会場に設置されたワーク ステーション上でVRMLの世界を堪能していました。私は終電の時間が迫ってきたため (田舎住まいの悲しさ;;;)、ここで会場を後にしました。


 VRMLにストリーミング機能を実装したことで、リアルタイム配信など 他のメディアと同じ次元で扱われる機会が増えてくることでしょう。
 互換性が高まれば、状況に応じて、ある時はビデオ、ある時はVRMLといったように 同一のチャンネルでダイナミックに媒体を切り換えて配信できるようになったり するかもしれません。
 数値、文書、映像、音声、モデル……、ストリーム化されるあらゆる情報の 間に関連を持たせて、遠くで起きている出来事を、いち早く、正確に、 そして受ける人の(あるいは送り手の)望む形で提供するような機構が 作られれば、面白い応用分野が出てきそう(今ならMPEG (Moving Picture Expert Group)形式の メディアへ実装する方法などありますでしょうか。それからQTML (QuickTime Media Layer)なんて のもありますね)。

技術的なお話

“プレゼンス”


関連ページ:

VRML Matsuri Hits Tokyo
SGIによる当日の模様のレポート。主にアメリカ側の視点で。
VRML BOF のページ
VRML FAQなどを 手がけていらっしゃるNK-EXAの安藤さんによるページです。
Bliss
VRMLストリーミング技術によって作り出されたサイバー・キャラクタ。
Blitcom
Blissのモデル等を制作した会社。
VSCP(VRML Streaming Channel Protocol
VSCP working groupによるVRMLストリーミング・プロトコルの案。(ちなみに ソニーVSCPとは ……違う?)

記事中に出てくる製品・システム名称等は一般に各メーカーの 商標あるいは登録商標です。ただし文中では"R"及び"TM"の明記はしていません。

Thanks to N. Sato and S. Nakagawa.

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