ばかのなな
ガンダム専門学校
(東京都渋谷区)
ゆ:
いや、ここまで、直球なやつも珍しいな。
も:
もう、やりたい放題だね。「ヤリ逃げ」って感じ。
ゆ:
渋谷とはいっても、宇田川町や丸山町じゃないんだからなぁ。まわりにはこんなヒナびた商店街とか、高級そうなマンションとかあるし。例によって「街並み爆破系」だな。
も:
でもこれって、どうやら建築とかの設計の専門学校なんだよな。
ゆ:
えぇっ?、こんな中が教室なの?。なんか変な姿勢で授業うけなきゃいけないんじゃないの。天井高が1.5mぐらいしかなくて、みんな疲れたマラソン選手みたいにクビ曲げてるとか。床が坂になってるからケツに力いれないと椅子ごとすべってくとか。
も:
いや、設計の学校なんだしそりゃないだろ。線がまっすぐ引けないよ、それじゃ。
ゆ:
じゃ、これは普通のビルの外側についてる「飾り」なのかな?。ハデだな。
も:
というか、やっぱ「看板」なんじゃないの。「設計の専門学校」としての。
ゆ:
そんなん「かに道楽」と同じじゃん?。
も:
なんかもぉ、「うぉー! 設計楽しいーっ!」「くぅぅっ! 建築すきすきーっ!」って感じするじゃん。もう力みまくり。「君たちも、オレ達と一緒に、設計で汗を流そうぜっ!」。そんな熱血ぶりを精いっぱいアピールしてみました...ってカンバン。
ゆ:
えー、そんな体育会系かな?。「どぉ、オレたちの学校。クールっしょ?。クール。これってよくない?。」みたいなムカつく気取りを感じるけどな。
も:
いや、でもマジな話しで、これは「建築教育の場」なわけだろ。「校舎」だろ。生徒に対して、どういうことを言いたくてこういうデザインにしたのかな。
ゆ:
オレが思うにこうだな...
○その1
君たちに「建築のデザインとは何か」
を問う!
私はあえてこの校舎をこんな風に
しちゃったけど。
これが本当に良いのかどうかは、君たち
それぞれが考えてくれたまえ!。
も:
いやぁ、そりゃデキすぎだよ。違うよ。
○その2
おりゃーっ!、建築ってのはな、
ここまでヤッていいんだー。
表現したモンの勝ちじゃー。いてまえー。
だまってオレについてこんかーい!。
...でもオレ達は、何にこんなに
渇いてるんだろう!負けるな!
ゆ:
どうしても体育会系にしたいらしいな。でも、教える側が、そこまでいうのか?。建築の世界って。
も:
あっ、それともこうかな。これが究極だな。
○その3
別に〜、教育的意義とか、全然考えなかったよ。
やりたいようにやっただけよ〜。
だってオーナーがやっていいっていたんだもん。
ゆ:
いや、むしろ、このばか具合は、ひょっとすると「その3」かもな。
も:
ここまでじゃなくても、建築の専門学校だけに、普通の建物じゃ出来ないようなこともできた、っていう面があるのは確かだろうな、やっぱ。
ゆ:
しかしさ、隣がスーパーっていうのがマヌケだよね。こっちは、これだけ力んでるのに。全部吸い取られてるな。
も:
いやそれ以上に、すぐ横になんかボロい「瓦屋根」があんだけど。
ゆ:
こういう隣近所の街並みの現実を見ると、やっぱ「ヘン」の一言に尽きるなぁ。周りを意識しないと....、いや、意識してもしょうがないのかな。隣のボロい家にデザイン合わせるわけにはいかないし。
も:
うん、だから建築の人って、「わかってて、あえてやった。」みたいなリクツを言うことがあるみたいだよ。でもそれって、なんとなく「逃げ」っぽいよな。「ヤリ逃げ」。
ゆ:
しかし、これは見れば見るほど「ガンダム」だよなぁ。
も:
山ほどある「ガンダム系ばかけんちく」の中でも、王者の風格だな。「最強ロボ」だな。
ゆ:
でもなんかグチャグチャしてて、カッコ悪いよ。
も:
最初のシンプルなガンダムじゃなくて、続々々々ガンダムぐらいのヤツな。なんかオタッキーな連中が、寄ってタカって超複雑なメカにしちゃって、わけわかんなくなっちゃった頃の。凝りすぎでカッコ悪いやつ。
ゆ:
そうそう、もう複雑でプラモ作る気なくした。って、そういや、買ったなー、ガンプラ。
も:
買った買った。デパートに朝からならんだ。
ゆ:
でも、ガンプラ全種もってるヤツっていたよな、クラスに二人くらい。
も:
いたいた。もう命かけてるヤツ。でもそういうヤツに限って、全然作ってないんだよな。持ってるだけ。
ゆ:
そう、しかもそういうヤツに限って、作ってあっても、すげー下手なんだよな。切り放したとこの出っ張りがくっついたまんまだったり。色テキトーに塗ってたり。
も:
それで結局アキちゃって。アゲクは、一個づつ作るのメンドくさくなって、いろんなモノの部品で勝手なメカでっち上げ始めるんだよ。それで「オレのオリジナル・メカ」とか言い出して、仲間に苦笑されんの。
ゆ:
あっ、それって、このけんちくに似てない?。
も:
ていうか、そのもの。