鈴木氏がパーソナリティを務めるハードロック・ラジオ番組（1992年３月〜？年？月オンエア）、第１回の内容をレポートします。

以下、鈴木氏は［鈴］、和嶋氏は［和］、上館氏は［上］と表記します。

バッジー脳外科手術の失敗をＢＧＭに「人間椅子の遺言状放送〜」［鈴］軽快にスタート。

「こんばんわ。人間椅子の鈴木研一です。今日は髭面のムサイ男とフツーのおっちゃんが来ていますが…」という鈴木氏に続いて、和嶋氏と上館氏が自己紹介。
「純然たる音楽番組ですので、音楽ファンの皆さん、最後までよろしくお願いします」[鈴]。

一旦ＣＭと、ツェッペリンのGOOD TIMES BAD TIMESをフィーチャーしたジングルが入る。

鈴木氏、バンドの紹介のあと、 「独断と偏見で好みのハードロックをかけるつもり。７０年代の黄金期を迎えた頃のイギリスのハードロック、６０年代のＲ＆Ｂ、プログレ、８０年代以降のスラッシュなどいろいろ。毎週テーマを決めて曲をかける」という番組のポリシーについて説明。

最初は和嶋氏が高校時代にカヴァーした曲、CREAMのSUNSHINE OF YOUR LOVEをオンエア。
当時いろいろなバンドを掛け持ちしていた和嶋氏、この曲は駅前の弘前商工会議所で演奏。
鈴木氏によると、当時の和嶋氏は「“弘前に和嶋あり”と云われたギターのテクニシャン。他校の女子生徒からも声が掛かって、モテモテの黄金時代」だったとのこと。 和嶋氏は鈴木氏云うところの“モテぶり”を慌てて否定。

２番手は上館氏。
キッスとビートルズを掛け合わせた“キットルズ”という名前のバンドに在籍。 しかし（音楽的には名前とは別の方向）パープルへ行ってしまった、とのこと。
それにちなんでオンエア曲は、DEEP PURPLE。75年日本武道館でのライヴ『LAST CONCERT IN JAPAN』より、“これが聴きモノ[上]”のDr.はイアン・ペイス、Ｇ.トミー・ボーリン、Ｂ.グレン・ヒューズのSMOKE ON THE WATER。
この曲でベースを弾いたことがある（スライドが得意）、機種はプレシジョンという和嶋氏に、「和嶋はベースでもギターみたいな弾き方をする」と鈴木氏。

しんがりは鈴木氏。
鈴木氏と和嶋氏は高校３年の頃「死ね死ね団」というバンドに在籍しており、当時から現・人間椅子のオリジナル曲鉄格子黙示録、私のややこなどを演奏していた。 今回のオンエア曲は、これとは別に活動していたバンドで演奏した曲。 バンド名はＥＬＰのアルバム名から取った＜恐怖の頭脳改革＞だったが、オーディションの際、他のメンバーに突然＜ディー＞という名前に改名されてしまっていた。
そのバンドで高校３年生の文化祭で演奏した曲、ジューダス・プリーストのグリーン・マナリシをオンエア。 アルバム『殺人機械』(78年)米盤のみに収録されているスタジオ・バージョン。フリードウッドマックの曲のカヴァー。
この文化祭ライヴでは、ヴォーカルのマイクが入ってなくて３曲目くらいにスイッチを入れに行った、ハードロックのカラオケを聴かせてもらった、と和嶋氏。 ジューダス・プリーストのほか、スイート、サクソン、シン・リジィ、ＵＦＯの曲を演奏。 鈴木氏はオジーのＴシャツにバンダナと、典型的な高校生の文化祭スタイル。 前年の文化祭はキッスで、アルミホイルを足に巻いて、絵の具でメイク、絵の具で血糊（すごい不味い）のステージだったとのこと。

マイナーを基調としているこの番組において、ハードロック入門編として有名でかつ憶えやすい曲をかけようという啓蒙コーナー。
“人間椅子はブラックサバスの影響が大きい”ということから、その代表曲PARANOIDをオンエア。
名古屋のライヴで、アウトレイジとセッションして盛り上がった曲。 鈴木氏によると「ネタに詰まった時のPARANOIDとして利用。必ず盛り上がる」「Vo.オジー役をやり気持ちよかった、前からオジーになりたかった」とのこと。

鈴木氏から、メロトロン特集、ハモンド・オルガン特集、ツイン・リード特集、シャウト・ヴォーカル特集などいろいろ企画しているので、曲をリクエストしてほしい、との呼びかけ。
氏の心をくすぐるリクエストを送った方には、葉書が読まれるだけでなく、氏のポケットマネーからその人が欲しいＣＤをプレゼント、という特典もアリ。

エンディング・テーマ遺言状放送で番組終了。

「人間椅子の遺言状放送」の情報は、rakuda氏、嘉象氏にいただきました。(99-06-13)