「総合目次」にもどる |  「ブラウン管の花嫁の目次」にもどる |  最終修正:99-06-27(日)

FM富士「オールナイト・ジャッピー・パーティ」

99年5月29日(土)26:00からオンエアされた「オールナイト・ジャッピー・パーティ」に、人間椅子(鈴木氏、和嶋氏、後藤氏)が出演しました。
以下、その内容をレポートします。


3月25日にリリースされたアルバム『二十世紀葬送曲』収録曲、レコーディングの模様、デビュー十周年、ブラックサバスなどの話題で番組が進行していきます。
以下、鈴木氏は[鈴]、和嶋氏は[和]、後藤氏は[後]、番組パーソナリティ(2名)は[パ]と表記します。



* * * * *


「見慣れた顔が3つ」というパーソナリティ氏の導入に対して、「“人間椅子”というバンドです。お久しぶりです」と和嶋氏。
和嶋氏、鈴木氏、後藤氏の順でパートと名前を言うと、何の前置きもなく、幽霊列車オンエア。
《拷問》
[パ]「このジメった時期に、このジメった音。ぴったりですね。」
アルバム『二十世紀葬送曲』のインフォメーションの後、ジャケット写真で石抱きの責めを受けている和嶋氏、「レコーディング中に悪さしたんでしょう」[パ]と向けられ、「レコーディング中のみならず、日常皆さんに迷惑をかけている。ここぞとばかりに拷問されまして。」

CDパンフレットを飾る拷問具の話題から、各メンバーが「一番ツライ、これだけはされたくない拷問」について語ります。
和嶋氏は、本で見たという「江戸時代のくすぐりの刑が一番ツライんじゃないか、発狂しそうですよ。」 鈴木氏は、死体の間に挟まれて寝なきゃいけないっていうのが嫌。 後藤氏は「考えたことないけど、飛行機に乗るのが拷問に近い。」 また、ステージ出るのも拷問に近い、との意見も出ます。

“三角木馬”というキーワードからSMについて話し、レコーディングの話題へ。
ジャケットの和嶋氏拷問の理由について鈴木氏が、和嶋氏の遅刻や歌詞の遅延について語ります。 この1年間、リハに1回も時間通りに来なかった、極めつけは今日でマスタリング入らなきゃいけないって時に、歌詞が出来てなかった曲があり、その24時間前に歌詞を作って唄を入れて、トラックダウンしてマスタリングした、とのこと。
[和]「“締切”ってのは一番の拷問ですよね。」
[鈴]「早く書いときゃいいんじゃないの?」
結論が出たところで「2曲目でというのを聴いてください」[鈴]。

「歌詞に出てくる蟲はえげつないよ」[パ]。 作詞作曲者の鈴木氏は「それが狙いすからね」「1匹だと何ということもないけど、かたまると凄い気持ワルイじゃないですか。それを唄いたかった。」
《デビュー十周年》
[和]「サバ読んで十周年。いか天で何となく世に認識されたようなので、そこから数えて十周年。」
ネズミ男の衣装とそのイメージの固着について振られると、[鈴]「あの1年間はやってましたね」「いまだに言われますよ、地方とか行くと。もうネズミ男は止めたんですか、とか。」[和]「もう8年は止めてるね。」

この十年を振り返っては、[和]「長かったよね。」[鈴]「まだやって来れたってのは、うれしいですよね。アルバム出せたってのは。」
いか天関連のバンドの消息についての話題になり、解散するバンドについては、[鈴]「止める人達の気持もよく解かりますけどね。」 対して人間椅子は、[和]「単に止めなかっただけ。他が止めたから残っている」しかし「イタイことに、止めなければ自分たちの時代が来るかというと、そんなこと無くて、来るかどうかも未だ判らないし」と分析。
司会者に年齢に応じた曲を書いてきて。「三十歳」(アルバム『踊る一寸法師』収録)はインパクト強かった、四十になったらもっとスゴイ曲が書けるんじゃないかと振られると、[鈴]「もちろん四十歳記念曲は作りますよ。」和嶋氏も意欲を見せます。
《初の作詞作曲・唄》
次の曲は、[後]「僕にとっての今の拷問といえるんじゃないかという曲。」
「十年迎えて初めてドラムスの後藤君が、僕ら(鈴木氏・和嶋氏)以外に曲を作ったという記念碑的作品」と和嶋氏が紹介して、不眠症ブルースオンエア。

ドラマーだからシンコペーション多いのかな?という問に対しては、[後]「あまり意識したわけじゃなかったけど。」 自作のアルバム収録までの経緯については、[後]「(今まで曲の)断片は作ったことあるんだけど、1曲として出来上がったのは初めて。今回のアルバムのリハの時期だったので。」
歌詞は和嶋氏に依頼したかったが、和嶋氏が「責任持ちなさい」ということで作詞も後藤氏が担当。[和]「これは効を奏してマスヒロ君らしい新しい展開でしょう。」 曲のモティーフになっている“不眠症”は、[後]「最近は調子良かったけど、ツアーでこの曲を唄うたびに、また症状が重くなってきちゃって。早くこの曲をやらなくて済むようになりたいなと思っているんだけど。」 [パ]「自分で呪いをかけてるんじゃないか?」
[鈴]「次のアルバム、作らなきゃね。」[後]「“寝れますブギ”とか。“早寝マンボ”とか。」
《こだわりのブラックサバス》
[パ]「いつか来るだろうとは思っていたけど、こんなふうに来るとは思わなかった。」
サバスが一昨年再結成したのにちなんだ曲?との問に、[鈴]「それも少しはあったすね。(来ないらしいけど)あの4人で来ると思ったから、記念に作ろうと思って。」 サバス、スラッシュ・メタル、パチンコ--、[和]「鈴木君の好きなものをミキサーにかけた曲。」
「人間の生きざまを感じる曲を聴いてみましょうか」[パ]。 鈴木氏曲中のデス声「サバス・スラッシュ・サバス」で曲スタート。

曲が終わると[パ]「アイ・アム・アイアンマ〜〜ン…。」 「ここの部分はライヴの時にはサバスのカヴァーをやってます」「今までライヴでカヴァーをやってきてサバスの曲が一番やりやすいし、やりたい。今回(二十世紀葬送曲の)ツアーだと、IRONMAN、WAR PIGS、INTO THE VOIDを各地方で回して」演奏したとのこと。

「いろんな人がサバスのカヴァーをやってるけど、誰ひとりとしてロニー・ジェイムス・ディオ時代のサバスをやった人はいないね」[パ]と振られて、[鈴]「もちろんですよ」「ちょっと悔しかったのは(人間椅子ライヴの)WAR PIGSの時に、お客がノってくれたのはうれしかったんですが、ロニー版でお客さんが唄ったんですよ。ちょっと違うんだけどな」「70年頃のサバスのカヴァーをやったつもりなんですけど」という細かいこだわりを披瀝します。

サバスへの思い入れ、雰囲気、リフ中心の曲については、[和]「そこは大きく変わってないですね」、[鈴]「絶対変えないポイント。」
[パ]「十年変わらない」、[鈴]「今後も変わらない」、[パ]「二十年変わらない」、[鈴]「三十年変わらない。」[パ]「環七のラーメン屋さんみたいですね。」
《和嶋氏、歌詞との苦闘》
アルバムのラスト・ナンバー<黒い太陽>について、[和]「これがいわく付きの、最後の最後まで押した曲なんですよ。よって結果的に(アルバム・トラックの)最後になってしまった。」
一番最後にヘヴィーな曲を作るのは、いい詞にしなきゃいけないというプレッシャーがかかる、と和嶋氏が歌詞との苦闘を語ります。
唄入れのためスタジオ入りするのに、歌詞が出来ていないからスタジオへ行けない。 心身症のようになって、地下鉄の乗換え駅のたびに降りて、喫茶店に入り歌詞を数行書き、また電車に乗っても怖くて途中下車して、喫茶店に入り数行書きの繰返し。 そのうち喫茶店が閉まる時刻になって追い出されて、スタジオへ行かざるをえなくなった。 まっすぐ行けば1時間弱かかるスタジオへ、1日かけて行った。 「スタジオに居る皆としては、もう来なくていいという域」[鈴]。
和嶋氏の「呪いがこもっているかもしれません黒い太陽」という紹介でオンエア。

「文芸的なもの(歌詞)は今回ないの?」[パ]に対して、和嶋氏は「少女地獄」(夢野久作)とかタイトルは貰っているが、小説を取ってくるのは、ちょっと盗作ぽいので徐々に止めようと思っている。 オリジナルの世界でいきたい。自分の言葉で歌詞を書かなきゃイカンなと数年前から思い始めた。
「海外に題材を求めるというテはどうか?」[パ]についても、「日本語にこだわりたいという最初からのコンセプトがあるので」しない。
《次の十周年はどういう風に生きていこうと思うか?》
「このまま、いい曲をより作れればいいかな」[和]、「1年に(アルバム)1枚出せればいいですよね」[鈴]と堅実な回答。 とはいえ「やっぱり、もうちょっと売れてほしいってのはあり」[和]、「バンドだけで生活したい。それが目標かな」[鈴]。
[パ]「ビジュアル系として売り出すってのはどうか?」と向けられると、「33(歳)ですからねぇ」[鈴]。 ジャケット写真を見ると、鈴木氏は行けそうだが、問題は…「和嶋君は髭とメガネを何とかしないといけないですね」[鈴]。

というところで次の曲は、[和]「人間椅子ならではの屈折したラヴソングですね」恋は三角木馬の上でオンエア(1コーラスのみ)。

曲後に6月7月のライヴ・インフォメーション。 7月の十周年記念ライヴはビデオ上映会もあり、新旧の楽曲を織り交ぜた内容とのこと。

「春の海」をエンディングに番組終了。お疲れさまでした〜
※ 作成者注
「オールナイト・ジャッピー・パーティ」の情報は、カスタード氏よりいただきました。
放送内容の詳細は、嘉象氏にいただきました。(99-06-27)


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