「総合目次」にもどる |  「演奏会報告の目次」にもどる |  最終修正:97-09-23(火)

人間魚雷
97年8月25日(月) 18:00 開演 目黒 LIVE STATION

【「人間魚雷」とは…】

数年前から人間椅子のコピーバンドとして筑波で活動し、1996年9月の筑波でのイベントで人間椅子の前座として出演。その後12月の渋谷クアトロの人間椅子ライブで、人間椅子自身がその時の人間魚雷の演目「黄金の夜明け」をパクったことで一躍注目された話題のバンド。
最近メンバー自身の作成になるオフィシャル・サイト(→注1)が立ち上がりましたが、依然としてその実体は謎に包まれていました。
今回東京での初ライヴがあるということのなので、人間椅子ファンとして彼らを見据えるべく、緊張してライヴに臨みました。

【出撃を待つ】

目黒LIVE STATIONは目黒駅のすぐ近くにあります。階段を下りて地下に入っていく、典型的なライヴハウス様式です。受付で置きチケットをもらって入ります。受付のカウンターには人間魚雷のカセット「回天壱号」が何本か置いてありました。
今日は4バンド出演、人間魚雷は一番最初の演奏とのこと。到着は開演時間の5分ほど前でしたが、まだあまり人は入っておらず、壁際に配置されていた椅子に座ることができました。
待つこと約15分(推定。18時を過ぎたところでなぜか私の腕時計が止まった…)、しだいに観客が増えてきて、かなりの人数になったところで、いよいよ人間魚雷の登場、メンバーが入場してきました。おそらく内輪の方たちが、一斉にステージ前の手すりまで出てきます。
おおっ、こいつらが人間魚雷かあ、と思っていると、演奏が始まりました。

【魚雷発進!】

事前にホームページ「人間魚雷の部屋」でメンバーのご尊顔を予習しておいたのですが、ボーカルのろばーと氏以外は見事に別人の顔になっていました。
目を引くのは、やはりろばーと氏です。他のメンバーが夏らしいTシャツ姿なのを尻目に、独り黒いコート(インバネスというんでしょうか、『羅生門』の歌詞カードの写真で鈴木氏が着ているようなやつ)を着込んでいました。見た目が大変暑そうでしたが、そんなことは関係なくステージ上で激しいアクションを見せてくれます。
使用機種は何だろうと、私がひそかに注目していた佐藤氏ですが、「エクスプローラー」を使っていました。テクニックもなかなかのものです。ワウワウを使ったソロプレイも披露してくれます。
北京で鍛えられた(?)というドラムスの広瀬氏は、その力強いプレイで、サウンド面のリーダーという印象です。
会場のPAセッティングのせいか、全員コーラスが頭の芯に響きます。おかげでサビの部分は簡易ボディソニック状態でした。
期待の人間椅子のカバーは「幸福のねじ」。ギターが疲れそうな曲ですが、がんばって演奏していました。この曲の途中で、ベースの影山氏は、血糊を吐くパフォーマンスを見せていたのですが、私がボーッとしていたせいか、曲終了間際になって初めて気がつきました。

全6曲、40分程度で演奏終了です。

終演後、チケット代精算がてら広瀬氏に挨拶し、外でメンバーの方々とすこし話をしました。
みんなホームページの写真から受ける印象とは全く違った好青年でした(笑)。

音のほうですが、実際に目の前でオリジナル曲を聴いてみると、人間魚雷独自の音を出しており、好感がもてました。やはり人間椅子とは違うバンド、ということを印象づけられました。また、バンドとしての一体感があることも強みでしょう。
聴く前は「完全コピーバンド」的なノリを想像していたのですが、予想以上に音楽的に確固としたポリシーを持っているように思いました。
技術的には水準に達していると感じました。欲を言うならば、テンポが遅くなる部分はもっとネチネチとやるほうが私の好み。

歌詞の内容はよく聞き取れなかったのですが、カセットテープ同封の歌詞カードや、ホームページで公開されている歌詞を読む限り、仏教思想にインスパイアされたものが多いように思います。メンバーにお寺出身者がいるのでしょうか?

【演奏曲目】

 壱/隣人S
 弐/逆襲!マサカリ男爵
 参/黄泉へ・・・
 四/六道輪廻
 伍/幸福のねじ
 六/人間魚雷

【総合判定】

総合的な印象は「男らしいバンド」。
オリジナルも新曲が増えているようですし、月並みですが今後の成長が楽しみです。
このまましばらくはオリジナル+椅子カバーというパターンで行くのでしょうが、ライヴ全体を通して聴いてみて、曲構成のバランスは良かったと思います。人間椅子自身も、カバー曲は今でも演奏しますしね。

今回のライヴは平日、それも月曜日の18時からだったので、勤め人が来るにはやや辛い時間帯だったと思います。しかし、今後も東京でのライヴに意欲を燃やしている様子でしたので、これからも聴きに行ける機会は多くなることでしょう。
さっそく10月23日に同じ目黒LIVE STATIONでライヴが予定されています。詳細は「人間魚雷の部屋」(→注1)でどうぞ。

(97-09-23記)


■ オフィシャル・サイト「人間魚雷の部屋」

人間魚雷は、メンバー自身によるオフィシャルなホームページを持っています(まるでマスターマインドのようだ…)。バンドの詳細はここに行けば全部わかります。「マサカリ通信」という掲示板もありますよ。いますぐGO!

人間魚雷の部屋(http://www01.u-page.so-net.or.jp/pa2/t-hirose/HPG/ningengyorai.htm)


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