「総合目次」にもどる |  「演奏会報告の目次」にもどる |  最終修正:98-04-07(火)

98年3月20日(金) 心斎橋 ミューズホール 【頽廃芸術展】
18:00 開場 19:00 開演

※ 篁 紅緒氏によるレポートです。多謝! 読んだ人は、感想を送ってあげてくださいね。 【レポート】
小雨のぱらつく肌寒い週末に、待望の新譜を引っ提げて我らが人間椅子のツアー、大阪公演が行われました。
この日は、高校を卒業したばかりの妹と二人で連れ立って行ったのですが、妹は人間椅子もライヴハウスも初体験ということで、私もなぜか初々しい気持ちでライヴに臨む事ができました。
F.Cチケット4、5番の私達は、鈴木さんサイドの二列目くらいに陣取り開演を待ちます。

週末という事でお客さんもかなり集まるのではと思っていましたが、決算時期と重なったからでしょうか、学生さん風の方は多いものの集客は開演後も思っていたよりまばらな様子。
明日の京都に皆さんかけていらっしゃるのでしょう。

予定よりも10分時間を押して、そろそろ違う曲が使われるのでは?と思っていましたが、 おなじみの「火星」が鳴り響きます!そしてメンバーの登場!!!

和嶋さんは袖のあるアルバムジャケットに似たインド綿生地の上着に和風のうす手のパンツ。生地が重なっていて縦に何パターンか和風の柄の切り替えがあります。個人的にはこのスタイルはかなりお気に入り。
マスヒロさんは、おなじみの黒いタンクトップに黒いぴったりとしたパンツ。その上に白黒の幾何学格子柄の半袖シャツを羽織って登場。このシャツは、ライヴ中いつのまにか脱いでおられました。
鈴木さんもおなじみの白装束。血糊の跡がうっすらとあります。

ある程度予想はついていましたが、「戦慄する木霊」で幕が開きます!
ツアーも中盤ということもあり、演奏もまとまっていました。

続いて「遺言状放送」。途中の和嶋さんのセリフが聞き取りにくかったのが残念です。

そして「晒し首」へ。この頃になると、会場もかなり盛り上がってきます! 曲の最後にはマスヒロさんも立ち上がり、ご機嫌なご様子です。

そして、開口一番
鈴)「今日は鈴木 研一減量ツアーに来て下さってどうも有難うございまぁす!」
客席は大ウケですが、私は以前andさんの「人間椅子掲示板」に書き込んだ、「ツアーでいやでもやせれるか」の文字が頭に浮かび、内心ドキリとしてしまいました。(^_^;;) よ、読んでませんよね?
鈴)「アルバムにも写っていた、この二重あごを無くすためにもツアーを続けましょう」
和)「開き直りましたね、ついに」
鈴)「え?何の事でしょう」
「ツアーに出たので体重計には乗ってませんが、千葉でやった時は1kg減りました。僕の計算では、今まで5回ライヴをやってますの82kgになっているはずです」
それじゃあ、横浜では90kg近い鈴木さんが会場に落っこちた事に…。そりゃあお客さんを心配もするでしょう。
和)「ライヴ会場で体重を報告するのはどういう事ですか。(笑)」
鈴)「ま、14回ライヴはありますので、僕の計算では87−14で73kgになるはずです。次のライヴでは、スレンダーな鈴木君をお見せできるのでは…」
はい、是非期待しております。(^_^)
和)「今日は新曲をたくさんやろうと思っていますが、最近金融ビッグバンなどといろんなビッグバンがおこっているようですが、僕の銀行預金の残高は限りなく0に近いので、それが何なのか良くわからないのですが、先日ゴルゴ13を読みましたら、ついにゴルゴもスイス銀行から預金を寄付しまして、残高0になってましたけどね」
それで安心してちゃぁ…。頑張れ和嶋さん!
和)「金融ビッグバンは分かりませんが、村のはずれで起こるビッグバンは知っています! 『村の外れでビッグバン』!」
ライヴでは、サビの「ウワォ〜!」はマスヒロさんだけが歌ってました。客席も一緒に「ウワォ〜!」
うはー、楽しすぎる!!!

そして、短いけれど堅実なドラムソロの後は「銀河鉄道777」です。アルバムで聴くよりもファンキーな印象でした。

昨日は梅田の「大都会」でパチンコをしたというお二人。
鈴)「さて、次にやるのは宇宙シリーズの「天体嗜好症」ですが、スペースロックにはまっている僕は、ホークウィンドにはまっている僕は第二弾としてこの曲を作りました。
僕が曲を作った時点ではどうしようもない曲だったんですが、ドラムが加わったことによってぐっとかっこよくなりまして…」
和)「ぐっとU2みたいになりましたね」
鈴)「そして和嶋君が詩を書いたらなんかこう、ぐっと心に訴える曲になりましたね」
和)「いや、忘れもしませんあれは大阪の天下一品でラーメン食ってる時に浮かんだんですよ。その時書き上げました」
昨年の「歳末猟奇劇場」で大阪に来ていらした時でしょうか?その頃は和嶋さんの歌詞待ちという事でしたが…。
鈴)「まず最初に浮かんだ一行というのがあるんじゃないですか?」
和)「あの、ラーメン待ってる間にね、『船長からの一言、さよう切符は片道』と浮かんだんですよ」
鈴)「もしかしたらねぇ…、壁紙に『店長からの一言』とかあったんじゃないですか?(笑)」
嗚呼、さすが鈴木さん。和嶋さんイジメのポイントをつく一言です。(笑)
和)「あったかも知れませんね。(苦笑)自分ではすばらしいと思ったんですが…。
間違わずに歌ってください。『天体嗜好症〜』!」
怒涛の後半部分からギターソロにかけて、和嶋さんの指の動きにしばし見とれます。

そしてバスドラのずっしりとしたカウントから始まった「マンドラゴラの花」、ライヴでは初めて聴きましたが、「今回ミューズホールに来たかいがあった」といってもいいほどすばらしい演奏でした。
ライヴではノリのいい曲ばかりをやって欲しい人もいるとは思いますが、こういう曲こそ人間椅子の真骨頂です! 後半部分では、それこそ半泣き状態で聴かせてもらいました。
和)「次にやります曲は恨みの血統書付き、怨念大納言という名前のついた花が出てくる曲です」
和嶋さんが仙台で浪人生活を送っていた時に、下宿をしていたそうですが、そこの大家さんが園芸好きで、特に菊がお好きだったとか。
次の曲は、その時に見た大輪の菊についていた「〜大納言」という名前を、すごくかっこいいと感じた和嶋さんが作った「菊人形の呪い」

そして「ダンウィッチの怪」へ。やはりあの囁きは和嶋さんでしたね。でも、ライヴだとちょっと聞こえにくいです。(T_T)

そして、重くゆっくりとした曲が続き「黒猫」へ。中盤は「聴かせる」選曲になっている様子です。

しばし沈黙の後、御二人ともチューニングを直されます。
和)「そういえば鈴木君、岡山のライヴで首を痛めてましたけど直りましたか?」
鈴)「直りましたよ。借金で首が回らないのはいつもの事ですが…(笑)」
と言いつつベースを持ったまま、何やらゴソゴソと居心地の悪い様子の鈴木さん…。会場からはクスクス笑いと密かなつっこみが。(笑)
鈴)「左に向けとかないと…(笑)」
和)「そういう下品な事はやめて下さい!!!」
鈴)「いや、直しとかないとね、?????が見えちゃうんですよ」
って、ああぁぁぁ、これもサービスですか!?いきなりの問題行動&発言な鈴木さんに会場は大受けでした。トホホ・・・。
?の部分は各自考える事。(ヒント:浅草キッドの背の高い方)

次にやる「ED75」は、和嶋さんが詩を書く事になっていたようですが、結局鈴木さんが書く事になり、いい詩ができたと思って検閲係の和嶋さんに見せた所、「演歌くさくてダメ」と一言で断られたとか。
しかし、その中にあった「ED75」というのがいい、という事でテーマにして出来上がったのがこの曲だそうです。
和)「や、だって最初のタイトルは『涙の最終列車』とかそういうすごい演歌くさいタイトルだったんですよ」
鈴)「ELOの『〜行最終列車』という曲を意識したかもしれません」(聞き取れなかった部分、間違っていたらご指摘お願いします。)
そのおかげで鉄道シリーズが始まったようですが、「銀河鉄道777」は既に鉄道と宇宙とパチンコが全部入っているとの和嶋さんのつっこみが。そして曲へ。
「ED75」は個人的に鈴木さんのボーカルが光っていて好きなのですが、やはりライヴ中盤ともなると声の出がちょっと心配です。しかしなんなく歌い上げて「暗い日曜日」へ。この曲、大阪では結構やってませんか?

そして「人面瘡」。ここら辺からはラストへ向けてノリノリな曲が続きます。会場も一緒になって「ダラダラドロドロ血みどろじんめんそ〜!」

そして「人間椅子倶楽部」です!久々に聴くマスヒロさんの声は、マイク音量のせいかあまり聞こえなかった…。(T_T)残念。
会場からの「ちょーだい攻撃」に答えてピックを差し出す鈴木さん。なんと私が頂いていまいました!手から直接もらうなんて初めてだったので、舞い上がりつつもすぐにポケットへ押し込みます。

次は何かなぁ…、と思っていたらまさかの「エキサイト」!!! ちょっと順番が早すぎやしませんか?しかしいやが上にでも盛り上がる会場につられてか、和嶋さんのギターソロも突っ込みぎみで始まります!

そして続けざまに「幸福のねじ」へ! やっぱり大阪はこの曲ですよ!

盛り上がりの中退場される三人を待たせる暇もなくアンコールが始まります。再度登場された三人ですが衣装替えはされていない様子。
和)「今日はローリングストーンズ大阪ドームに行かないで人間椅子に来てくれてありがとうございます!
『猟奇が街にやってくるー』!!!」
CDでしか聴いた事のなかった曲ですが、他の会場と同じく歌詞が若干違っていましたね。そしておなじみ「針の山」へ。
もう、ここら辺になると記憶が確かではありません。(T_T)

二度目のアンコールで再登場される三人。
和)「え〜、すずきけんいち〜。
ダイナミックツーバス 、ごとーマスヒロ〜!」
鈴)「ぅえ〜、ぅわじましんじぃ〜!」
そう、こうなったらトリはこの曲「ダイナマイト」!!! さすがにもみくちゃになりながらも陶酔させていただきました。

さあ、帰ろうとしたその時に気づいたのは、いつのまにかなくなっていたポケットに入れたはずのピック…。(T_T)
11時前まで出待ちをして、泣く泣く家路につきました。

当日は卒業式シーズンだったせいか、タクシーに乗り込まれるメンバーを追いかける、クラッカーを持った酔っ払いの学生が…。

総評としては、前半聴かせどころを持ってきて後半怒涛の如く盛り上がる選曲だったにもかかわらず、それが生かしきれていなかったという感じでした。
リズムの早い曲はテンポが安定していなかったのが気になって、安心してノレなかったように思います。
個人的には70点のライヴでした。
【チケット】

チケット


【セットリスト】
SEQ. 曲名
<オープニング ホルスト『惑星』より「火星」>
戦慄する木霊
遺言状放送
晒し首
<MC>
村の外れでビッグバン
銀河鉄道777
<MC>
天体嗜好症
マンドラゴラの花
<MC>
菊人形の呪い
ダンウィッチの怪
10 黒猫
<MC>
11 ED75
12 暗い日曜日
13 人面瘡
14 人間椅子倶楽部
15 エキサイト
16 幸福のねじ
<アンコール1>
17 猟奇が街にやって来る
18 針の山
<アンコール2>
19 ダイナマイト

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