「総合目次」にもどる | 「演奏会報告の目次」にもどる | 最終修正:2004-12-31(金)

2004年11月3日(水・祝) 名古屋 名城大学学園祭 ロックフェスティバル
17:00開場 18:00開演

※ 犬神サーカス団、チビクロジャンボ、プロペラ、ジェット機との対バン。

【レポート】

※ 山田 二郎氏によるレポートです。多謝!

《リハの模様》

 大学祭で野外ステージしかもトップバッター、という人間椅子にはあまりないシュチュエーションで、どのような演奏を見せてくれるのか、という期待に胸ふくらませつつ、名城大学の門をくぐりました。
 10時頃、とりあえずどんな感じのステージなのか確認すべく、途中の露店などには目もくれず、野外の特設ステージへ向かうと、丁度ステージ脇に平服のお三方がいらっしゃり、機材を運んだりされています。
 ちなみにステージバックには学生手書きの「風神」を意識した?イラストで「風起」と紫の文字、背景は鮮やかな黄色です。

 メンバーお三方を注視していると、ステージに上がって、それぞれチューニングなどを始めています。和嶋氏は赤いシャツに破れジーンズ、鈴木氏、青っぽいトレーナーにおなじく破れジーンズ、ノブ氏は日野日出志Tシャツに黒ジーンズという格好です。
 お、このままリハーサルが見れるのでは…、という期待からそのままステージに張り付いていると、「今日はよろしくお願いします」とPAさんとの間で挨拶が交わされ、まずドラムからPAさんの指示に従ってスネア、タムなど順に音を出して行きます。
 ボーカルマイクのテストでは「うおんちゅ〜」と歌い始めたノブ氏、「このまま歌ってもよかったんだけどね」と相変わらずやる気満々です。
 鈴木氏、相変わらず凶悪な音色のベースであります。ローチューニングの茶色イーグルで「賽の河原」のフレーズを弾いてくれます。ノーマルチューニングのナチュラル木目イーグルで弾いていたのは「痴人の愛」のリフでしょうか。
 ギターでは和嶋氏「ちょっと音作りさせてください」とエフェクターを操作し音色を調整しています。サバスのフレーズなどを弾いていました。
 次に3人揃って、「人間椅子倶楽部」をフルで演奏。見ていたファンから思わず拍手が出ます。その後、楽器をローチューニングのものに持ち替え「暗い日曜日」「死神の饗宴」や「痴人の愛」を部分的に演奏し、リハが終わり、お三方は楽屋に戻られました。

 普段、リハなど見る機会はないので、こんな感じでやってるのかぁ、と非常に興味深く見ることができました。ちなみにリハでやっていた曲はこの日の本番では全く演奏されなかったのであります。普段もそうなんでしょうか?


《ライブの模様》

 待つことしばし、おなじく東京から遠征組のNさん、Kさんとお喋りしながら待っていましたが、開演予定の12時になっても始まる気配がありません。なぜか当方も緊張しながら待っていると、12時を過ぎてやっとローディーの川端さんが登場し、楽器のチューニング、セットリストの貼り付け、ミネラルウォーター置き、などいつもの作業に取りかかります。ふと見ると川端さんがチューニングしているのはローチューニング用の楽器です。1曲目からローチューニングの曲だとすると何をやるのか…と期待は深まるばかりです。

 いい加減待ちくたびれて、12時半を過ぎたころやっと開演です。司会のアナウンスの後、【三悪道中膝栗毛】ツアーで使われていた、うめき声SEにのって青空の下、3人登場。和嶋氏は股旅、鈴木氏はお坊さん、と基本的に衣装は三悪道中ツァーと同じです。

 1曲目なんと、ノブ氏加入後では初めての「陰獣」です。ローチューニングのためおどろおどろしさ倍増です。正直この曲で来るとは意表をつかれました。ちなみに歌詞はイカ天CD収録されたものとは違うバージョン(「森の木陰でどんじゃらほい〜」でした
 2曲目もノブ氏加入後では初の「黒い太陽」。学園祭というのにこんな極悪な選曲でよいのでしょうか?(笑) 晴れた日差しの中、演奏される「黒い太陽」。アンバランスですが、なんてかっこいいのでしょうか。

 鈴木氏「名城大学のみなさん、こんにちは、人間椅子です」……「こんにちは」というMCはなかなか新鮮です。和嶋氏にいたっては「おはようございます!」いや、もうおはようの時間ではないと思うのですが、朝の遅い和嶋氏らしいMCです。

 この日は人間椅子初見という人も多いので、メンバー紹介がありました。
 ノブ氏、今日もノリノリでおニューのパンツだそうです。「今日は髪を立たすのにスプレー半分使ったぜ、イェーイ!」
 鈴木氏曰く、「一見浮浪者にも見えるこの男(←あんまりだ)、ほとんどの詩を書いている、ブレインともいうべき、ギター、和嶋慎治」
 和嶋氏「いやー後ろで露店とかやっているのに、『誰かを呪ってみようか』とか歌っちゃって(苦笑)」
 鈴木氏「最近、この頭に触れるといいことが起こると言う、高尚な僧、鈴木研一と申します」
 和嶋氏「「いんじゅう〜」とか歌ってるときに丁度太陽がさしてきておかしかったよね」
 和嶋氏「昔、ねずみ男で一世を風靡しました〔笑)覚えている方もいらっしゃるかもしれません」
 鈴木氏「元ねずみ男でぇす。」
 和嶋氏、15周年を名古屋で迎えることができてうれしいそうです。今回でこの学祭イベントがなくなるかもしれないが、来年も是非呼んでほしいとか。

 鈴木氏「次は新しいアルバムから、名古屋のテレビ「情報満載」でも放送された、せん〜れい〜」
 と新譜から「洗礼」、相変わらずヘヴィな演奏です。続いてまたドロドロした曲「相剋の家」。
 この曲はノブ氏加入後当初はキメの部分(「中絶の夜、絶食の月〜」の部分)がややタイミングがズレてるのが気になっていたのですが、この日は合っていたと思います。(というか、ワタクシこの曲ではいつも激しくヘドバンしてしまうため詳細覚えていません。すいません。)

 鈴木氏「せっかく明るい雰囲気なのに「うぇーお」って」
 和嶋氏「学祭ぶち壊しに来たみたいで……」としきりに気にする和嶋氏。そんなことないですよ!
 ノブ氏「陽の光が似合うバンドになりたいよね。うぇ〜とか言ってるけど、2人は本当にカッコよくて……」
 鈴木氏「また内輪ベタ誉めですか?」とすかさずつっこみを入れます。

 MCをはさんで、ノーマルチューニングの楽器に持ち替え、ノブ氏の歌う「道程」。シャウトしまくるノブ氏、ノリノリです。フロント陣も負けじとダックウォークを披露。
 そのままの勢いで「のれそれ」。鈴木氏もリズムに合わせてのれっそれっと体を左右にゆらゆら振ります。
 続くは「りんごの泪」とノリのよいナンバーが続きます。セリフの前、和嶋氏が叫びます。「僕たちは弘前出身なので津軽弁でいきます! 15時55分、青森発上野行き急行津軽〜」

 学園祭ということを意識してかノリのよいナンバーが続きましたが、名城大生その他椅子初見のお客さん反応や如何に?(たまには客観的に見ようと思うのですが、いつも前の方に行くと冷静に見られない…)
 鈴木氏「名城大学と名古屋の皆さんのの皆様のぉますますの〜ご発展とぉ〜ご健康をお祈りいたしましてぇ〜三三七拍子っ!」とラスト曲の「地獄風景」が勢いよく始まったのですが、途中で電源が落ちてしまい曲半ばで中断してしまいます。鈴木氏「とりあえずこれでひっこみま〜す」と言ったものの、もちろん客席からは「えー?」「やだ〜っ」という声。当然です。このまま終わられては不完全燃焼です。

 鈴木氏、2月の名古屋ライブの告知をしたりした後、場つなぎでノブ氏が生音でドラムソロを披露。そうこうしているうちに、やっと楽器は音が出るようになったので、まず和嶋氏、ギターを歯で激弾き! 会場結構沸いていました。その後は3人でブルースっぽいジャムセッション。
 やがてマイクも復旧したようで、今度こそ最後の曲「ダイナマイト〜!」怒濤の勢いでラスト曲。和嶋氏今度はいつもようにギターを背中引き。かくてこの日の演奏は終了したのでした。

 久々の学園祭、対バン有りのフェスティバル形式、野外ステージという、いつもとはちょっと違った状況で、どのような演奏を見せてくれるのか、興味津々だったのですが、前半は重暗系のコアな曲、後半はノリのよい曲という対比の際だった構成で、なかなか楽しめました。人間椅子故の怪現象?かどうかのトラブルもありましたが、良く解釈すればいかにも学園祭らしく、予想外のドラムソロや即興のジャムセッションを観ることができ、結果オーライでした。
 この日気が付いた点として、ライブハウスなどではいつも聞き取りにくい歌詞がよく聞こえたことです。楽器の音が小さかったわけではないと思いますが、野外のため音がこもらずに拡散していたせいでしょうか。

 ともあれ、ノブ氏加入以後のレパートリーも着実に増えているようで、今後のライブが楽しみです。また、新しい椅子のファンを増やすためにも、今後も学園祭などに積極的に出演されたら良いのでは、などと思いました。(観にいく方はうれしい反面、懐にはキビシいですが)

 なお、このレポートを書くにあたってにゃべさんのご協力を頂きました。感謝いたします。

【セットリスト】

SEQ. 曲名 備考
陰獣  
黒い太陽  
洗礼  
相剋の家  
道程  
のれそれ  
りんごの泪  
地獄風景 電源落ちのため途中で中断
ドラムソロ〜ブルース・ジャム
ダイナマイト
 
<備考>
ローチューニング曲



作成者注:
山田 二郎氏よりレポート、セットリストをいただきました。(2004-12-31)

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