「総合目次」にもどる |  「演奏会報告の目次」にもどる |  最終修正:2003-02-01(土)

2003年1月26日(日) 渋谷 タワーレコード渋谷店 B1F 「STAGE ONE」
14:00開演

【レポート】

 「修羅囃子」発売記念インストア・ライブに行ってきました。これは1月22日に発売された新譜『修羅囃子』のプロモーションの一環として、発売日当日にタワーレコード新宿店・渋谷店で『修羅〜』のCDを購入すると、ミニライヴも見られる…という企画です。

 開演の15分ほど前にタワーレコードに到着すると、地下の会場「STAGE ONE」への階段にはすでにたくさんの人が並んでいましたが、ほどなく番号順に入場がはじまりました。レコード店が会場ということで狭い場所を想像していましたが、実際はかなり広い会場でした。観客はだいたい200人くらい、客層は男女半々といったところでした。

 開演時間になると、女性スタッフの司会で前フリ(本日の予定の案内、諸注意など)ののち、場内が暗転し、ステージ横の天井からぶら下がっているモニターにおもむろに「東洋の魔女」プロモーション・ビデオが映写されます。
 『修羅〜』ジャケット写真撮影時に同時に撮ったと思われるチンドン屋スタイルのメンバー映像をはさみ、最近のライヴ映像を重ねていったようなビデオです。演技や演出などはなく、スローモーションで色彩をセピア調にしたり古いフィルムを映写したようなノイズを入れていたりで、環境ビデオっぽい感じ。しかし“温泉芸者”に扮した和嶋氏の顔がアップになるたびに観客からは笑いが洩れていました。「笑いの取れる環境ビデオ」なのか?

 ビデオの余韻にひたっていると、チンドン屋風の効果音から和太鼓のリズムが始まります。これが今回のツアーのオープニングテーマか!? なんとなくお祭りっぽい感じの音楽。
 暗やみの中、下手からメンバー3人が登場し、演奏を始めます。曲は、先程のビデオと同じ、アルバム開幕曲「東洋の魔女」。当然かもしれませんが、音量はそれほど違わないにもかかわらずビデオとはボーカル、ギター、ベース、ドラムスのすべての音の圧力が全然違います。やはりライヴはいい…!と思わしめる瞬間でした。ローチューニング曲のため、和嶋氏はグレコ、鈴木氏はミラージュを手にしています。後藤氏のドラムスは緑色のタマ、ツーバスや銅鑼も含めたフルセットで臨んでおり、タム類もロートタムでなく通常のタムです。この日の服装は、和嶋氏は甚兵衛、鈴木氏は紺色っぽい地にクモが描かれた和服、後藤氏は黒いランニングシャツ。昨年の『押絵と旅する男』発売記念ライヴ時に近い様態です。
 つづいてドラムスのゆっくりしたリズムから新譜の最後の曲「相剋の家」。ドラマチックな展開の楽曲をドラマチックに演奏。

 ここでいつものライヴなら「こんばんは…」と呼びかけるところ、いまはまだ昼間、鈴木氏は「こんにちは、人間椅子です」と挨拶。和嶋氏はバット2、鈴木氏はイーグルとノーマルチューニングの楽器に持ち替えながらMC。ツアー用衣装はまだ製作中とのことで、温泉芸者姿の期待されていた和嶋氏は「今日は心の準備ができていなかった」「ツアーまでに性転換してきます」とのこと。
 次の曲は、スポーツシリーズ第2弾「野球野郎」。アメリカンな曲調に野性的なボーカル、観客もかなりノっています。ちなみにスポーツシリーズ第1弾は「相撲の唄」?それとも「地獄風景」?(たぶん前者だと思うけど…)。

 次のMCでは和嶋氏がアコースティックギターに持ち替えます。青森県民の霊と妖怪の集う場所・恐山にまつわる怪奇現象について、青森出身の鈴木氏と和嶋氏がさまざまなエピソードを披露しますが、「普段より演奏時間が短いのに、ついいつもの長いMCになってしまう」と演奏に移ります。
 ということでアコースティックギターのアルペジオが美しい「恐山」。6弦ギターながら、12弦風のきれいな音色が出ていました。ちなみにギターは2フレットにカポタストを付けてます。
 演奏後、和嶋氏が「すっごい緊張した」というと、鈴木氏が「今回はツアーの公開練習のようなものだから…」と答えます。ツアーについては、千葉と東京で全11曲を聴けるように選曲する予定とのことでした。

 和嶋氏がギターを再びバット2に持ち替えて、鈴木氏が「自分がするならこんなセックスをしたい…」という紹介で「蛇性の淫」。歌詞と曲調を強調するねっとりとした演奏。
 続いて今回のアルバムの和嶋氏の話題作「愛の言葉を数えよう」の力強い演奏。そして最後はハードな「鬼」。観客のノリもよく、ツアーでも人気の曲となることでしょう。

 以上40分ほどの演奏で場内の照明がつき、再び司会の方のインフォメーション(ロッキンf、BURRN!、ヤングギター、ギターマガジンに記事掲載、また広島?方面のFM番組に出演?)でお開きとなりました。帰りの通路には、特典(サインプレート)が付く旧譜を買うため、大勢の人たちが物販コーナーに並んでいました。大いに販促されたことと思います。
 終演後のステージを検分したところ、和嶋氏の新ギター? 珍しい青いサンバーストのレス・ポールがありました。また自作エフェクターを操作する、フットスイッチがズラリ並んだタブロイド判くらいのコントローラーがあり、次第にシステムが大掛かりになってきているようでした。

 総評としては、予想外に中身の濃いライヴでした。短時間かつインストア・ライヴということから、中途半端なものを想像していましたが、やはり人間椅子はあなどれないことがわかりました。鈴木氏も減量に成功?していたようです。
 今回のタワーレコード渋谷店は初めて行きましたが、なかなかいい会場です。特に音質に関しては非常によいと思いました。ステージが低いので後の方の人はちょっと見づらいのと、暖房が効いてて暑かったのが難点といえば難点ですが、総合的にはまた見てみたいと思わせる会場と言えます。

 ともあれ、新譜を得た人間椅子の健在ぶりを垣間見ることができました。旧譜からの曲も演奏する2月からのツアーに期待がふくらみます!

以上

【セットリスト】

SEQ. 曲名 使用楽器
ギター ベース
<前フリ 「東洋の魔女」プロモーションビデオ>
<オープニング ?>
東洋の魔女 グレコ ミラージュ
相剋の家
<MC> バット2 イーグル
野球野郎
<MC> アコースティック
ギター
恐山
<MC> バット2
蛇性の淫
愛の言葉を数えよう
<インフォメーション>


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