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1999年6月18日(金)那覇 CLUB D-SET 
「コミックおきなわ同窓会スペシャル発刊記念 人間椅子沖縄初ライヴ」
19:30開場 20:30開演

【レポート】
※ 凡 泥児氏によるレポートです。

 会場に着いたのは、開場5分前ぐらいでした。すでに20人ほど並んでいましたが、整理番号とかあまり関係なくそのままゾロゾロと入場になりました。

 階段を降りて地階に入ると、CDとTシャツなどの物販が。CDはたいていの作品が揃っており、例の紙エプロンとポスターも付いてくる様子でした。Tシャツも過去のツアーのモノから最近のものまで各種用意されています。私は未入手の『無限の住人』Tシャツを購入しました。

 場内は比較的広いですが、ステージはちょっと低い。床は木張りで、どちらかといえばフロア系の作りでしょうか? 体育館坐りで待つ人たちもいました。後部にはテーブルと椅子もあります。開演まで椅子に座って待つ私。
 入場者が20人×5列くらい入ったところで開演時間になります。だいたい半分くらい。

 定刻通り8時半の開演です。普通のライヴだとすでに終盤の時間帯ですが…。
 ブレードランナーの音楽とともにメンバー3人が入場すると、比較的少ない人数とはいえ相当な盛り上がり。やはり来_沖縄(って言うのか?)が待たれていたバンド、という気がしました。後の椅子席からだとステージが全然見えないので、立ち上がって前進。といっても6〜7列目くらいか。

 すぐに1曲目「幸福のねじ」で開幕。本日のいでたちですが、和嶋氏は甚平姿にバット2、暑さ対策なのか、頭をポニーテールにしています。鈴木氏は死に装束(背面は刺繍入り)にお札イーグル。後藤氏はいつものテリー・ボジオ風の黒ランニングでした。ドラムセットはバスドラムのメーカー名が違っていた(左がヤマハで右がパール)ので、現地での借り物と思われます。
 息つく間もなく「蟲」。最初の2曲から判断して、バンドとしての調子はよさそうに思えます。ギターソロは長めのアレンジで。鈴木氏と和嶋氏はコーラスごとにボーカルの立ち位置を入れ替えていました。

 ここで最初のMC。「コミックおきなわ同窓会スペシャル発売記念ライヴ」、初めての沖縄のライヴなので、曲を多めに、また初心者向けの選曲でやる旨を鈴木氏が宣言。メンバー一人一人を知ってもらおうということで、まず後藤氏から「不眠症ブルース」。私はライヴで聴くのは初めてでしたが、CDと同様の、独特の雰囲気のある演奏でした。

 冷房が入っているとは言えここは沖縄、すでに見る側も演る側も汗だく状態ですが、つづいて後藤氏の軽快なリズムから、和嶋氏の「沖縄の青い海にちなんで、人間椅子唯一のサーフィン曲を」という紹介で「辻斬り小唄無宿編」

 次のMCでは、和嶋氏の紹介。「せっかく沖縄に来たのに、和嶋君は5千円しか持ってきてない」と鈴木氏が暴露。「一人で古本屋を回ってました」と和嶋氏。また、「ロックに津軽三味線を乗せることでは右に出るものがいない」と言われれば、それを受けてギターソロを披露。
 ここから以下4曲は青森シリーズを演奏、ということで最初は恐山のことを唄った「賽の河原」から。この曲でも途中でヴォーカルの立ち位置を入れ替えます。
 第2弾は、ギターソロが津軽三味線な「あやかしの鼓」

 しかしともかく暑い! 鈴木氏も「今日はゆっくり行きましょう」と宣言。前日に沖縄入りしたメンバーだが、沖縄の言葉には皆戸惑った模様。和嶋氏が「僕の名前に似た沖縄方言がある」と、「でーじわじわじ」(=大変いらいらする)を教えてもらい、「僕をみてみんないらいらしてるんでしょうか?!」などとなごやかなムードでMCが続きます。
 鈴木氏の「沖縄と言えばパイナップルですが、青森と言えばこの果物」という導入で第3弾「りんごの泪」を演奏。初期の曲は沖縄でも人気があるようで、みんなノリノリです。
 間を置かずドラムソロ、そしてそれに絡むギターソロの間に、鈴木氏がベースを1音半下げのミラージュに持ち替えて、第4弾の「どだればち」へ。この曲が最も青森らしい唄だと思いました。個人的にもとても聴きたかった曲。

 次のMCで和嶋氏も1音半下げのグレコに持ち替えます。鈴木氏が、沖縄のスロット屋に行った話をします。タクシーでよく出る店に連れていってもらったが、全然出なかったとのこと。「1店1機種しか置いていないのに、どうやって出る台を見分けるんでしょうか?」と疑問を呈していました。
 和嶋氏が、この日の昼に沖縄で起こった立てこもり事件に触れ、犯罪者の唄「黒猫」を演奏。続いて「踊る一寸法師」「黒い太陽」とタタキ伏せるような重暗曲の連発。特に「踊る一寸法師」の展開部での、和嶋氏のスライドギターと後藤氏の鳴り物と笛、そして鈴木氏の狂気の笑い声が聴きモノでした。

 鈴木氏によれば、沖縄はディープ・パープル系のハードロックのイメージとのこと。これに対し、人間椅子は数少ない「ブラック・サバス派」。「次の曲は、僕のサバス好き、スラッシュ好き、スロット好きの3つがミックスされた曲」ということで、もちろん「サバス・スラッシュ・サバス」。CDではノーマル・チューニングの曲ですが、低音での演奏もいいです。続けてメドレーで、ブラック・サバスのカバー「WAR PIGS」
 次はこれも人気の「暗い日曜日」。人気の秘訣は、唄、サビ、ギターソロなどの構成がはっきりしているのでノリやすいから? 和嶋氏のボーカル部では、鈴木氏は客にむかってベースを差し出し自由に触らせます。

 ここでノーマルチューニングに戻して、バット2、イーグルに持ち替え。「みなさん疲れてませんか? もうすぐ終わりますから」の鈴木氏の問いに、「オールナイトで!」と返す観客(笑)。なぜか「ダンシング・オールナイト」のソロを和嶋氏がしばし演奏し、「また来れるよう、『コミックおきなわ』は必ず買って帰ってください」とスポンサーの宣伝。
 終盤はオーソドックスに「天国に結ぶ恋」「地獄」「針の山」で締めます。暑さのため、速いテンポの曲は見るからにきつそうでしたが、勢いと観客の声援で乗り切っていました。

 ひとまず終演ですが、観客が満足するわけもなくアンコール。すぐに戻ってきます。メンバーも乗っているようです。後藤氏のリズムから「人間椅子倶楽部」。しかし後藤氏の左手がだんだん上がらなくなってきているような気が…。次は「人面瘡」で終了。

 2度目のアンコールでは、期待通りの「ダイナマイト」。演奏は荒いが、勢いで突っ走る。一旦曲を終えた後、再び14連チャンから再始動! 観客熱狂興奮。
 演奏終了後の挨拶で、鈴木氏の「沖縄にばんざい! コミックおきなわにばんざい! みなさんにばんざい!」の万歳三唱で大団円。観客も大満足で帰路につきました。
 終了は22時40分頃。終電時間を気にすることはないとはいえ、こんな時間でみんな本当に帰れるのでしょうか?

 総評ですが、かなりいい内容の演奏だったと思います。あの暑さを考えても、演奏面でのがんばりは驚異的ですらありました。音響面でも、楽器のバランスが良く、たまに和嶋氏のボーカルが小さいかな?という時がありましたが、それ以外は全く問題なかったです。
 選曲もなかなか。「黒猫」「踊る〜」「黒い〜」の連発は特に評価したいです!
 MCは比較的長めでゆったりしてました。鈴木氏は「序盤は前日の観光ボケが残ってましたが…」と反省のご様子でしたが、このくらいのんびりやってくれたた方が人間椅子らしいのでは(笑)。
 観客の反応も良く、観客との相乗効果でステージが盛り上がっていく、というライヴならではの雰囲気を味わえました。メンバーも沖縄での反応には、かなり手ごたえを感じていたのではないでしょうか。話には聞いていましたが、沖縄の人はノリがいいのですね。 ただ惜しいのは、観客が少なかったこと。こんなにいいライヴを見なかったのはもったいない! 次の機会にはもっと増えるとは思いますが…。私もまた来たいです!

以上
【チケット・和嶋氏のピック】
チケット 和嶋氏のピック

【セットリスト】
SEQ. 曲名 使用楽器
ギター ベース
<オープニング ヴァンゲリス「ブレードランナー」>
幸福のねじ バット2 お札イーグル
<MC>
不眠症ブルース
辻斬り小唄無宿編
<MC>
賽の河原
あやかしの鼓
<MC>
りんごの泪
ドラムソロ
〜どだればち
ミラージュ
<MC> グレコ
黒猫
10 踊る一寸法師
11 黒い太陽
<MC>
12 サバス・スラッシュ・サバス
13 〜 WAR PIGS(BLACK SABBATH)
14 暗い日曜日
<MC> バット2 イーグル
15 天国に結ぶ恋
16 地獄
17 針の山
<アンコール1>
18 人間椅子倶楽部
19 人面瘡
<アンコール2>
19 ダイナマイト
※ おまけ

旅の思ひ出「福州園」記念スタンプ
とくに何の意味もないですが、福州園の記念スタンプです。

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