新刊紹介

エデンを探せ

ハイテク考古学が古代の謎を解く

宇宙人や謎の超古代文明が出てこなくとも、フツーの人のフツーの暮らしの中に、謎と不思議がいっぱい詰まっています。そんな古代の謎を解き明かすため、現代の考古学者がどう知恵を絞っているかがわかるのが、この『エデンを探せ』です。


ブライアン・フェイガン著
大出健訳
ジャパンタイムズ発行
2266円



こんな謎があります
紀元前7000年の「左利き」の石工 北米のアナサジ人には、食人の習慣があった? ツタンカーメンの飲んだワインは? 古代ローマ人からの手紙

ブライアン・フェイガン
カリフォルニア大学サンタバーバラ校人類学教授。
考古学、人類学に関する著書多数。
『ナショナル・ジオグラフィック』や『サイエンティフィック・アメリカ』など各誌で活躍。

ブライアン・フェイガンLINK集
『エデンを探せ』の原書Time Detectivesに関するページ
Brian Fagan
Advance Praise for "Time Detectives"

『エデンを探せ』に登場する、イギリスの青銅器時代の謎に関するページ
Enigma of the Fens

その他ブライアン・フェイガンの著作に関するページ
Books from SAGEPublications
Buried Cities and Lost Tribes




謎解きその1
紀元前7000年のベルギーの遺跡には、石を加工するための道具が残っていました。ノミの磨耗や変形の跡を調べたところ、先端の磨耗跡が逆時計回りだったことから、この道具の使用者は「左利き」だったと推測できるとか。

謎解きその2
埋葬されたアナサジ人の骨に、小さい磨耗や研磨の跡が見られました。なぜ骨にこんな傷跡ができるのか……? 人類学者が、アナサジ風の壺で動物の骨を3時間煮てみたところ、コトコトと煮える骨が壺の内側にぶつかり、アナサジ人の骨とまったく同じような傷跡ができあがったとか。つまりアナサジ人はなぜか人間の骨を「煮ていた」わけです……。

謎解きその3
ハワード・カーターがツタンカーメンの墓を発見したとき、実は3ダースものワイン壺が一緒に発見されたのです。一つ一つの壺にはラベルが貼られていて、そこから醸造年や醸造者、ブドウ園の名前などがわかるとか。「甘口」の壺は少なかったことから、ツタンカーメンは「ドライ」がお好みだったようで。

謎解きその4
古代ローマ帝国の最北端、「ハドリアヌスの壁」を守る砦に駐屯する兵士たちは、寒空の下震えながら、退屈な日々をもてあましていたようです。この地から、木片に書かれた多量の手紙文が出土。「早く金を送れ」とか、「両親の様子を知らせてほしい」など、考えることは今とあんまり変わらなかったみたいですね。

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