バハレーンの古墳

バハレーンという国をご存じでしょうか?
日本ではバーレーンと言ったほうがわかりやすいかもしれません。
サウジアラビアの隣、ペルシャ湾に浮かぶ小さな島々からなる小国です。首都はマナーマと言います。
メソポタミアにシュメールの文明が栄えていた紀元前3000年期、ここはディルムンという王国として知られ、通商の拠点となっていました。



バハレーンには、ディルムン時代からヘレニズム時代までの8万5000以上の古墳があります。
古墳群は主にアアリ地区サール地区にあり、島の北部を走る「ブダイヤ・ハイウェイ」沿いや「ハマド・タウン」の近くにも固まっています。一つ一つの古墳はただの土饅頭で、高さも2メートル以下のものがほとんど。素人目には、自然の景観と区別がつかないくらいです。



あきれたことに、遺跡の見張りらしき者はおらず、最も多数の古墳が集まるアアリ古墳などは、道路の脇に囲いも標識もなく広がっていて、本当に目の前のものが古墳なのかどうか、思わず通りがかりの人に確認してしまったくらいです。

結局、土饅頭の群を一周してやっと、「土を掘ってはいけません」という標識を見つけて納得しました。
昔は一応鉄線で囲んであったらしいのですが、支柱は無惨に引き倒されて、出入り自由。中の石組が露出した古墳も何個かありました。何でも、現在陶器を焼く窯として古墳を使っているという話です。

ほかに、紀元前3000年期に最初に建てられたバルバル神殿とか、ウンム・スジュールの井戸などが、ブダイヤ・ハイウェイ沿いにありました。

reported by 羽仁 礼



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