('FM STATION'より抜粋)
森本真也さん▼昨年の11月です。前身はニフティサーブ(国内最大の
パソコン通信サーバ)の佐野元春ホームパーティーなんですがここには
佐野さんのファンが相当な数集まっていたんです。で、そのなかのひと
りが「インターネットでもファンのためのスペースを作りたい」と佐野
さんに打診したところ、快く承諾をいただきまして、今年の3月13日、
佐野さんの誕生日に正式公開となりました。
−−森本さんも設立メンバーのおひとりですよね。
森本さん▼ええ。モチはモチ屋というか、コンピューターの専門家、英語
が堪能な者、グラフィックデザイナーなど、それぞれ仕事を持つ人間が必
要に応じて集まって、現在9人のメンバーで運営しています。企画もみんな
で持ち寄って、楽しんでやってるって感じですよ。
−−英語が堪能な方がいらっしゃるというのは?
森本さん▼やはり海外の人にも佐野元春というアーチストを知ってもらいた
いという理由で。インターネットの利点は、世界中のコンピュータとアクセ
スできるということですから、その利点はぜひ生かしたいと。
−−実際に相当数のアクセスがあると思うんですが。
森本さん▼単純にアクセズの回数に関して言えば累計で何万という数じゃない
ですか。完全に把握してるわけじやないですけど(笑)。またホームページを
見たファンが感想を直接書き込めるゲストブックというコーナーがあるんです
が、これまでに相当数のメールが届いてますよ。
−−具体杓にはどういった内容の反響があるんでしょう?
森本さん▼阪神大震災のときに佐野さんが詩篇を発表したんですが、それをポ
ームページ上に褐載したところ、実際に被災されて、ボランティア活動をされ
てるという方からぜひリンクを張らせてほしいとの要望をいただきました。
−−リンクというのは?
森本さん▼佐野さんのホームページにアクセスしたときに、画面上のポタン
ひとつで阪神大震災のぺージへ飛べるようにしたんです。少しでも佐野さん
のフアンに被災者の声をきいてもらおうとね。
−−一方で、インターネット上での権利問題をクリアする努力も相当なもの
があったのでは?
森本さん▼その点に関しましては、佐野さんのご協力なしには成しえなかった
ですね。たとえば、佐野さんの楽曲や歌詞をインターネット上に掲載することに
ついても、佐野さん自身が私たちMIPS、事務所、レコード会社の間に立って調整
していただきましたし。
−−ホームページ上には佐野さんの楽曲もアップされているとか。
森本さん▼佐野さんが以前発表したシングル「シュガータイム」のB面収録曲
「WONDERLAND」をアップされていますね。あとフリーソフトとして、
アルバム『スウィート16』のプロモーション用に制作された「スウィート16
FOR MAC」もアップしてます。これにはアルバム中の楽曲や佐野さんの
コメントなんかが収録されてるんですよ。
−−森本さんの考えるインターネットの魅力ってなんでしょう?
森本さん▼佐野元春のホームページに関していえば、商業ベースとしてで
はなく、ファンの有志が運営していますので、ファンが純粋に知りたいこと
をどんどんアップデートして伝えることができますよね。そこに集まる情報と
即時性はかなりの魅力だと思います。でも、インターネットは人と人のコミュ
ニケーションを手助けするひとつの手段に運ぎないんで、結局は、そこに集まる
人がいちばんの魅力といえるかな。