<本日のターゲット>

プランクトン:ミジンコのピン子さん




雨上がりの朝。
道端のところどころに出来た水溜り。

そこに映る自分の顔を見て、心底鬱になりかけていたとき、
その内側から僕に笑いかけてくれたのが、ピン子さんだった。

一瞬。
僕は一瞬で心をわし掴みにされた。つまりは一目惚れだ。
すかさず拉致って家に連れ帰った。

シャーレの水滴の中で元気そうに泳いでいるピン子さんの姿を見ながら思う。
前回は肉欲に流されすぎた… 今回は一つ一つ階段を昇っていこう。
ゆっくりと丹念に、愛を育んでいこう。

結婚生活1日目の朝。ピン子さんとしばしの別れを惜しみ、僕は会社へと急ぐ。
仕事終了後、飛ぶように家に帰り、ドアを開けるのももどかしく、ダッシュでシャーレの前へ。

弁毛をピコピコさせながら僕を暖かく迎えてくれる妻の姿が、ホラ、今夜もそこに…




モテニッキ