頌春拾弐句

 初雪や縁にまろびて独楽となり  

 かんばせに梅を咲かせて年酒かな

 初声やまどろみながら覚めながら

 松が枝に去年の雪まだ支えけり

 初景色はや懐かしい過去がある

 天が下のぞむ神あるたから船

 待ちわびて春らんまんの枝を折る

 あかときの枝に灯ともす初霞

 初夢の覚めしあしたのおぼろなる

 別れとふまたの門出や去年今年

 初春や鉢より出づるもの多く

 払暁になずな打つ身の軽さかな

 羽子板を逸れて無言の着地かな


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