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梅干を作ろう


  梅干しというとなにか手作りは難しいとか、面倒臭いとか、カビが生えて失敗したと聞きますが、決してそんなではないです。むしろ私のような不精者でもやることをちょっとだけきっちりやれば必ず(たぶん?)成功します。家庭で作った梅干しは何たって完全無添加ですし、塩分もお好みです。押さえるポイントは3つだけです。

(1) いい梅を選ぶ(といってもスーパーで十分)
(2) 漬け込みは完全滅菌状態
(3) 干す時は雨に用心
です。さぁ、やってみましょう。



  諸般の事情により、昨年はパスしてしまいましたが今年で5年目となる梅干し作りに今年も取り組むことになりました。用意するものは「紀州の南こう梅(3kg)」です。まず梅選びですが、これを誤るとイマイチとなります。ポイントは見た目黄色から少し赤くなったくらいのやつで、甘酸っぱい桃のような香りのする梅を選びましょう。その梅を12時間位真水に浸けておきます。写真は浸け終わったものです。



 準備ができたら、まず消毒済みのボールに焼酎をたらし、そこに一握りの塩(前もって計っておいたもの)を入れます。そしてそこに梅のへたをたけ串を使ってとりながら数個づつ入れてゆきます。当然ですが、手も薬用石鹸で洗いよく水ですすいだ後、焼酎を擦り込んで消毒しておきます。ここまで読んだらおわかりと思いますが、梅干し作りでのほとんどの場合の失敗はカビで、これを防ぐために梅が触れる全てを焼酎で殺菌するのが最大のポイントとなります。


 今度は数個づつをボールの中で、塩を焼酎で浸したものと良く混ぜ合わせます。表面にまんべんなくまぶせたらガラスビンの底ににならべてゆきます。


 この作業も手際良くサッサとやり、梅が空気に触れる時間を短くします。(なんとなく胞子は付きそうでいやなんです。)そして、1段積んだらその上に塩をパラパラ巻きます。実際にこの作業をごく短時間で完了するためには2人でやるのが思います。そうすれば、いつも手は梅とたけ具し以外のものを触る事が無いのでカビを付着させる確立も低くなるようです。かなり神経質になりますが、神経を使うのはここまでなので頑張りましょう。


 全部つみ終わったらおしまい。これで一安心です。一番上に残った塩を全てまきます。またボールに付着した分を目分量(大体軽く一握りからその半分くらい)を追加してふり、蓋をして完了です。仕込みの出来上がりはこんな所です。これで4〜6週間つけこんでおきますが、風通しの良い比較的涼しめな場所に置いておきましょう。また2、3日で梅酢が上がってきます。1週間位でビンの9分めくらいまでに上がりますが、一番上段にある梅は梅酢が浸りませんので、1日1回ビンを斜めにして梅酢をかけてやります。夏までこうして可愛がってやりますとおいしい梅干しの仕込みが終わります。


 2、3日で半分くらい、10日程で8分目から9分目くらいまで梅酢が上がってきます。写真は見づらいですが、良く見ると8分目位まで梅酢が上がっているのが分かります。今年は塩が少なかったせいか梅酢の上がりかたがいまいち悪いようです。こんな時はビニール袋に何か重いものを入れて「重し」をするのがいいです。と言われているのですが、私はこれまで重しをしたことがありません。だいたいここで蓋をあけるとまたカビの胞子が入りそうですし。ともかくこのままでいくことにします。(なんか今年は失敗しそうだな〜。)ちなみに1日1回軽くゆすって、梅酢が上の梅にもかぶるようにします。


 いよいよ漬けた梅を干す段となりました。漬けている間、かびもまわらずなんとかここまでやってきました。ここで最後の一仕事となります。干す時を選ぶポイントは、夏の特に暑そうな日で、3日は天気が安定しそうな日を選びます。梅写は梅雨の中、じっと漬け込んだものです。カビもまわらずに無事にここまできました。きれいに漬かると梅酢は澄みきった状態のままです。


 まず、干すザルをきれいに洗って天日で良く干しておきます。


 次にザルに梅を一つ一つ丁寧の乗せてゆきます。梅同士が着かないように適当に間隔をあけてならべてゆきます。ちなみむ、写真のザルは直径45cmで、これ2枚で3kgの梅が丁度すべて干せます。(梅3kgで約130粒くらいでしょうか)  すべて乗せおわったら良く日のあたるところに干すわけですが、最初2〜3時間たったらすぐにひっくり返すようにしています。干しはじめは、梅は梅酢をたくさん含んでいて、乾燥してゆくと梅酢が固まって、梅とザルがくっついてしまう事があるからです。梅の実・梅酢・塩分の具合にもよると思いますが、一昨年はこれで30個ばかり皮がやぶれてしまいました。


 さて、干すこと3日3晩といいますが、私は結構いい加減に干しています。長いときは5〜6日干すこともあります。また、晩も干して夜露を含ませる・・・と本などにかいてありますが、夜中に雨でも降られたら大変なので、夜は部屋の中に入れています。干し加減で皮の柔らかさや食感は変わるのですが、いちいちこだわらずに「その年、その年の梅干しを楽しむ」という事にしています。それではチャレンジしてみてください。

なお、「カリカリ梅」「シソ入り梅干」「蜂蜜入り梅干」「かつお入り」につきましては当サイトでは作り方を掲載していません。検索エンジンで探すと、いろいろ出てきますので、そちらをご参考に。


 



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