※入館
サッカー場やテニス場、パターゴルフ場、はたまたゲレンデそり場など、
北海道らしい豪快な土地活用が目立つ森林公園「びふかアイランド」の奥地にひっそりと立地しているこの水族館、
第一印象としては水族館というより、美術館に近い何かを感じた。入り口付近の壁に設置されているチョウザメの
モニュメントの荘厳さもその雰囲気を更に助長させているものと思われる。
※まだ人類に絶望していない
さて、いざ入館とばかり、受付に行ったらなんと無人、更によくよく見たら入館料自体は無料であり、
パンフレットが欲しい人だけ100円を払う、いわば野菜の無人販売を模したような運営形式になっていた。
既に都会では失われたと思われる「良心」の存在というものを根強く感じさせるこのスタイルからは、
この地域の人々の人柄、そしてこの施設を運営している美深市および北海道自体の懐の深さというものが
大いにうかがわれ… いや、むしろこれが普通なのかもしれない。この土地の人にしてみれば良心が
どうのとか意識すらしないのだろう。
この販売体系を素晴らしいと思う時点でミーの心は汚れきっているのかもしれない。
※鮫!鮫!鮫!@東亜系
入り口からすぐのところに一番の見所である「チョウザメ」の展示水槽を発見。
その中はどこもかしこも鮫だらけ。小樽水族館の個体と比べると大きさは小さめだが、その分の迫力を数で補っていた。
ただいくら小さいとはいえそこはやはり鮫であり、接写すると流石に凄いし怖い。
説明パネルによると、その姿は2億年前から大きく変化していないそうで、
大きいものは体長8メートルにまで成長し、その寿命は長いものだと100年を超える可能性があるとのこと。
やべ、チョウザメさん地味だけどパないす。
キャビアの元ぐらいにしか思っていなかったこれまでの認識が少々変わり始める。
※超マニアックな育成ゲー
「飼育室」と書かれた奥の扉をくぐると、そこには個体の大きさ別に飼育を分けた複数の水槽が設置されていた。
秘密組織のアジトめいた雰囲気がいやがおうにもミーの少年ハート内のワクワク感をかきたてる。
ただ室内の照明は非常に暗く、そのうえ無人なので、どうにもこうにも怖い。すぐさま退出を考えたが、
チョウザメの稚魚の皆さんが水面上に頭を突きだして直立状態でジタバタしている光景に若干ツボってしまったので、
なんとか踏み止まって観賞を続行することに。
左上からZ字型に「稚魚」→「幼魚」→「成魚」→「親魚」の各水槽内。
当然、その威圧感は右下へ向かうにつれ、累乗的に上がっていく。
しばし各水槽の前を歩き回ってそれぞれの個体差を見比べてみた。
「チョウザメ」成長の過程を一つの空間に凝縮させたその様は、おそらくここだけでしか見れないものであり、
そういう意味ではなかなかに興味深かった。
ただいかんせん人気がなさすぎて妙にケツの座りが悪いことも確か、故にここに赴かれる方においては
複数人でのぞまれることを推奨しておく。
※新たなる気づき
メインホールの端には美深市周辺を流れる一級河川「天塩川」の水系に生きる魚類の展示水槽が設置されており、
「コイ」「フナ」「イワナ」「ヤマメ」「ウグイ」などのわりとありふれた川魚が、川を模した水槽内を泳ぎ回っていた。
ここでのポイントは水槽が密閉型でないがゆえ、側面および頭上とそれぞれ異なった視点からの観察が可能という点にあると考える。
側面で多少の音をだしてもほぼ無関心を保っている魚達だが、頭上部分に関しては少々影をよぎらすだけで敏感に反応を示す。
彼等の触れてほしくない内面のセキュリティ・ホールは、常に頭上側に存在するようだ。
ダイレクトに魚達と触れあえる純粋な磯コーナーとは少々異なるかもしれないが、
水槽上部をオープンにする事により、間接的に魚さんとコミュニケーションをはかる事に重きをおいている
この形態もまたある意味、磯コーナーの進化版といえなくもないのではなかろうか。
もちろん上部から石を落とすとかは人として駄目だ、そのくらいはミーにも分かる。
ファミリー | ★★☆☆☆ | むしろキャンパー多し |
カップル度 | ★☆☆☆☆ | それ以前に無人 |
わびさび | ★★★☆☆ | 公園の奥の奥、秘所めいた何か |
学術度 | ★★★☆☆ | アカデミック度はそこそこ高め |
お得感 | ★★★★★ | 何せタダ |
建物装飾 | ★★★☆☆ | 水族館っぽくないテイスト |
水槽装飾 | ★★☆☆☆ | シンプル、省略美と解釈 |
総合調和 | ★★★☆☆ | まとまりはある |
憩い場所 | ★★★☆☆ | びふかアイランド自体が憩い場所 |
磯コーナー | ★★☆☆☆ | 拡大解釈でギリ成立 |
ペンギン度 | ||
レア度 | ★★☆☆☆ | チョウザメの稚魚はレアといえばレア |
総合 | ★★★☆☆ | あくまで私的観点と個人的意見から |