2732 32 Kbit UVEPROM

Intel社が32 KbitのUVEPROM 2732を発表したのは1978年末か1979年始めでした。販売は1979年4月から。ピン配置も2716の上位互換になっていて、すんなり移行できました。
ただ、この後の64 Kbit製品である2764が28ピンパッケージになってしまい、しばらくしてから2732や2716を各社が生産中止すると発表した頃、大混乱が起こりました。古い製品のプリント基板に24ピンのROMを前提としてパターンが作られているものが多く、28ピンの2764はピン配置が互換性を考慮しているとはいえ、代用として使用することができなかったためです。おかげで一時期、中古市場の2716や2732まで入手難になって値上がりする騒ぎがおきました。半導体メモリの世代は2 - 3年で交代して行くのに対し、特に工業製品なんかでは10年以上使われるものも多いですから、補修部品の確保の面で結構深刻だったのです。

2732
左から三菱のM5L2732K、日立のHN462732G、富士通のMBM2732A-30で、右端がTIのTMS2532。字が読めませんが。

TMS2716に続いて、32 KbitのUVEPROMでもTI社は別仕様の製品を出していました。しかも16 Kbitの時代には別仕様がTMS2716で2716互換がTMS2516だったのに対し、32 Kbitでは2732互換がTMS2732で別仕様がTMS2532と、またまた誤解が多くなるようなややこしい型番の付け方をしてくれました。写真右端がそれですけど、外見はそっくりですから型番を1文字見誤ってROMライタや基板のICソケットに挿入したりすると、もちろん壊れるのですよね。

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