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最終修正:98-04-07(火)
98年3月21日(土) 京都 磔磔 【頽廃芸術展】
18:00 開場 19:00 開演
※ 篁 紅緒氏によるレポートです。多謝! 読んだ人は、感想を送ってあげてくださいね。
【レポート】
昨日の大阪公演とはうって変わって、ポカポカ陽気で絶好のライヴ日和となった京都。休日ということもあり、観光がてら下見も兼ねて早めに家を出ました。
大通りに面した、ドトールコーヒーとお茶屋さんに挟まれた狭い路地を抜け、軒の低い京都の家並みの間に磔磔はあります。
しかし酒蔵だった佇まいといい、「はりつけ」と2回書いて「磔磔(たくたく)」というネーミングといい、人間椅子のために作られたかのようなライヴハウスではありませんか!
会場へは午後2時前に到着。結構ファンの方がいらっしゃるという事は…、お!入り待ちできる!
10分後くらいにおなじみの白い機材車が到着。車から降りられるメンバーに、数人のファンの方が手紙などを手渡しています。
ちっ!自分も何か用意してくるんだった…。
会場入りされるメンバーを妹と遠目に見つつ、とりあえず解散。
しかし、本当にいい天気でしたねぇ〜。会場10分前に、現地で知人と合流。昨日とは違い、既に100人弱の列ができています。
FCチケット1〜5番の私たちは、悠々列の一番前へ。今回、入場の際に手渡されるチラシの中に「人間椅子倶楽部」(公認FC)の勧誘チラシが入っていました。なかなか積極的でいいです!
そして一番乗りで会場へ入ります。うう、気分いい〜。
中の広さはミューズホールの3分の2くらいでしょうか? しかし、ステージが狭い!
奥行き4m、幅10mもあればいい方で、しかも最前列の柵がない!? なんか、縁台みたいなのが並んでるだけなんですけど…。
いや、近くで見れるのはいい事なんですよ! でも、ちょっと安全性に不安が…。
と思っていたら、開演前にアナウンスで「危険になったらライヴ中止」の放送が。(T_T)
その前に柵作って下さいよぅ。
その間にもお客さんはどんどん増えてきて、会場はほぼ満員です。昨日の大阪に参加できなかった方もたくさん来ている様子。
そんなこんなで「火星」と共にメンバーの登場!
鈴木さんとマスヒロさんは昨日と同じ。マスヒロさんは羽織っていたシャツが若干違いました。(緑っぽかったかな?)
和嶋さんは上着がノースリーブになっています。下は赤色のインド綿生地の薄手のパンツ。昨日は裸足でしたが、今日は茶色の皮製の靴を履いておられます。(決して革靴ってかんじではないトコがミソ。)和嶋さんはヒゲをきれいに刈り込んでいて、髪は伸びていますがなんだか小奇麗です。(^_^)
鈴木さんはちょっと髪を切られたようで、顔のラインにかかるように少しシャギーが入っています。見ようによってはお姫さまカット?
そして曲は今回のツアーOP曲の「戦慄する木霊」です! すごく調子よさそう!
続いて「地獄」へ! 京都は始めから飛ばします! 既に私は立っている状態が無理な事に気づき、片ひざついて両腕で後ろからの圧力に耐えます。
次は「平成朝ぼらけ」です。お客さんもたくさん入っているせいか、メンバーも嬉しそうですね。
鈴)「会場の雰囲気に合わせて平成朝ぼらけをやってみました〜」
和)「昨日は鈴木君の手による鉄道シリーズをやってみたんですが、今日は京都ということで、仏教シリーズをやろうと思っています!」
おおいに沸く客席ですが、お、押さないで…。(T_T)
和)「2曲目には地獄をやりましたが、次にやります曲は『九相図の スキャット』ということで、皆さんよろしかったら手拍子を御一緒に!」
私は手拍子したくても無理な状態だったので断念しましたが、みなさんノリノリです! 既に最前列の男性陣三人は、人間柵状態で後ろのお客さんにもたれられたり押されたりで大変そう。(^_^;;)そういう私も大変でしたが。
和嶋さんはギターソロの度にステージ中央へ歩み出てきて客を陶酔されます。ボリュームの増した鈴木さんと比べると(^_^;;)あまりにも華奢な和嶋さんのギターを弾かれる指に釘付けになります。
そして「賽の河原」「血塗られたひな祭り」と続きます。
目の前にバスドラが響き、頭を和嶋さんのギターにぶつけそうになりながら上を向くと、弦を押さえる指越しに左手のポジションを確認する鈴木さんのお顔が見える!!!
はぁ、うっとり。
そしてMCへ。和嶋さんのアダムスキーの蘊蓄を聞いた後、
鈴)「いや、ありがとうございました」
和)「ぼく、眼鏡曇りましたよ、今」
鈴)「マスヒロ君も皮がゆるんだみたいで一生懸命チューニングしてましたね」
それだけ京都は熱かったです! 演奏も会場の中も。
和)「あの、行っていいでしょうか? 『天体嗜好症ー』!」
「天体嗜好症」「宇宙遊泳」と二曲続けて宇宙シリーズです!サイケなイメージが漂ったところでMCへ。
和)「さて私事ですが、この世の中で恐いものといえば甲乙つけがたいものとして昆虫と人形がありますが、鈴木君は昆虫はとても好きなんですよね」
鈴)「大好きですよ。特に僕、クワガタが好きなんですけど、皆さんも好きだと思いますけど…」
和)「はあはあはぁ」
鈴)「僕はノコギリクワガタに目がないんですョ。ミヤマじゃなくてノコギリ…ってもー、こんな話しても。(笑)」
和)「ぼくそういう種類が分からないくらい気持ち悪いんですよ、昆虫」
鈴)「カブトムシとか子供の頃夜店で買いませんでしたか?」
和)「いえ!(きっぱり) 買いませんでした。気持ち悪くて」
鈴)「型をこう…、針で取って『やっと取れたー!』って、うん、これはノコギリのちっちゃいメスだな、とかそういう記憶はないですか?」
和)「いや、触るのも気持ち悪かったんですが」
和嶋さん、それはたぶん夜店の型抜きのお話では…。
鈴)「まぁ、そういう人もいるでしょうねぇ」
和)「なんかねぇ、感情が通じ合えないような気がするんですよ」
鈴)「虫と感情通じ合わせようなんて人はあんまりいませんが。(笑)」
和)「ていうか、哺乳類以外でも魚だって目玉は2つだから近いかんじするけど、昆虫は目玉いっぱいあってさ」
鈴)「いやいやいや、それは間違ってますよ。クワガタも二つだし、カブトムシもカマキリも二つだし。ま、複眼とか言いますけど…」
和)「複眼だよね」
鈴)「ぐも゛(アクセントは「も」)とかはね…、って訛ってどうすんだよ。(笑)」
和)「ぐも゛ですか。(笑)」
この時の鈴木さん、テレ笑いがめっちゃかわいかったですー!(はぁと)
会場にもすごくなごんだ雰囲気が流れます。
鈴)「ぐも゛は4つあったりしますが」
和)「花とかにも目あるよね?」
鈴)「あ、ホントですか?」
和)「あれ?ちがったっけ…」
鈴)「それは水木しげるか誰かが描いた…。(笑)」
和)「ま、それくらいぼくは昆虫に興味を持ちたくないほど気持ち悪いんですけど、次にやります曲は、もう一つの恐い方の人形の歌で、恨みの血統書付き、怨念大納言の出てくる『菊人形の呪いー』!」
「菊人形の呪い」に続き「莫迦酔狂ひ」へ。和嶋さんがまたしてもステージ中央に出てこられます。
やっぱり和嶋さんのギターソロになると、じっと見つめてしまいますね。汗がギターに落ちています!
曲が終わり、しばし沈黙の後、
鈴)「さて、仏教シリーズにもどりましょうか」
和)「もどりますか!」
鈴)「胎内巡りをこれからやりますが、それが何なのか詳しくをのべて下さい」
ということで和嶋さんの解説コーナーです。その和嶋さんの手には善光寺参りの御札ステッカーのついたギターがありますね。なんて思いつつ鈴木さんの方を見つめる私。(^_^;;)
あれ、鈴木さん、ピックもらっていいんですか?え?え?「ちょーだい攻撃」してなかったのに下さるなんてぇ。(T_T) 嬉しいです! 感動です! しかも昨日頂いたピックを無くした私にですよ!こんなことはもう二度とないと思いますので、こんどこそ落とさず大切にします!
はぁ、もう死んでもいいよ。
鈴)「この曲の聴きどころは、後藤マスヒロがドラムを叩きながらお経を詠むという、世界に一人しかいないお経ドラマーとしての〜」
和)「最近ドラムンベースという言葉がはやってるけど、ドラムンお経だね。(笑)」
鈴)「ドラムンお経ですか。(笑)では行ってみましょうたいないめぐりー」
「胎内巡り」をじっくりと唄う鈴木さん、素敵です。
コーラス部分も決まります! そしてマスヒロさんのお経! 今日はちゃんと聞こえて満足満足。
そして「阿片屈の男」へ。客席もフラフラです。ついでに私もフラフラです。
和)「今日はローリングストーンズ大阪ドームに行かないで、人間椅子に来てくれてありがとうございます。昨日も同じ事言ってしまいましたが」
鈴)「つっこむ前に自分で言いましたね。(笑)」
和)「さて、この世で結ばれないならば、いっそ心中してしまった方が幸せなのではないだろうか。『天国に結ぶ恋』!」
さすがにここら辺になると大盛り上がりです!私も押されて一回つぶれましたが、ここでダウンしたら元も子もない!っちゅーことでなんとか復活。
そして「もっと光を!」では会場も大合唱です!
鈴木さんの「よぉ〜っいやっとぉ〜う!」の声と共に「あやかしの鼓」へ。
押されるは自分も暴れるはで、もうもみくちゃです。そして怒涛の如く「針の山」へ!!
意識の薄れていくのが分かる…。はぁ〜、気持ちいいです。
そしてメンバーがステージから消えて行かれます。
ああ、もっと聴きかせて欲しい! ここぞとばかりに皆がステージに押し寄せて触りまくってます! 後ろからの圧力に負けず私も! すいません、鈴木さんのお尻を触ったのは私です。(^_^;;)
盛大なアンコールと共に再び現れたメンバーは水をかぶって登場!
そしてアンコール一発目はこれしかないでしょう!「エキサイト」!!!
マスヒロさんのバスドラ、私の顔に衝撃が来るくらい大変なことになってますよ!フロントの二人からは水しぶきが飛び散ります。よし、演奏もいいぞ!
続けざまに「大予言」ですか!? もう両腕も自分と後ろのお客さんを支えていたせいでガクガクです。それでも首は回るぞー!!!
和)「スーパー早弾きべーシスト、鈴木研一!」
鈴)「ウルトラスーパーバスドラム、後藤マスヒロー!
後ろ向きでリッチー弾きをやる男、和嶋慎治ー!」
退場される三人を見ていると、もう今回のツアーは今日しか見れないことを思い出し、すごく切なくなります。
うう、でも、もう一曲やってくれますよね?
そしてもう一度登場される三人!
鈴)「きょーおのオマケは『ダイナマイトォー』!!!」
嗚呼、待ってました!!!これやってくれないと帰れませんもの。みんなで「にぃ〜れんちゃん!」
もう、わけが分からなくなるくらいすごい盛り上がりようで、京都の幕は閉まっていったのでした。
その後は11時前まで出待ちをして、機材車に乗り込まれた皆さんを見送って、家路に着きました。
しかしさすが京都、夜の冷え込みがライヴ後の体に冷たかったです。なんとか最終に間に合いましたが、次の日がお休みで本当に良かった…。首の痛みはすぐに引きましたが、縁台に押されてできた足のアザは、その後二週間たっても消えませんでした。(T_T)
昨日の大阪と比べると、盛り上がりも演奏も文句なく満足できる物になっていたと思います。
点数をつけるならば95点! 後の5点は会場に柵がなかった事ですね。
この日印象に残ったのは、何度も目の前で拝ませて頂いた鈴木さんの足の指の爪。直前に切ったかのように短かったのですが、小さい気配りが感じられて感動しました。(いや、単に気がついて切っただけかもしれませんが。(^_^;;))
次は5月26日の大阪ですね!
個人的には普段聴けない曲をたくさんやって欲しいです。そろそろカバーも聴かせてもらえるかな?
そして、未だ見た事のない血吐きを是非、拝ませて頂きたいもんです。メンバーやスタッフの皆さんには体調に気を付けて、また良いライヴを見せて、聴かせて頂ける事を心から願っています。
これからも、ずっとずっと人間椅子を応援していきます。
つたなく読みにくい文章ですが、一人でも多くの方に楽しんで頂けていれば幸いです。
ここまで読んで下さり、有難うございました。
1998年 4月5日 満開の桜の下にて 篁 紅緒がお送り致しました。
【チケット】

【セットリスト】
SEQ. |
曲名 |
<オープニング ホルスト『惑星』より「火星」> |
1 |
戦慄する木霊 |
2 |
地獄 |
3 |
平成朝ぼらけ |
<MC> |
4 |
九相図のスキャット |
5 |
賽の河原 |
6 |
血塗られたひな祭り |
<MC> |
7 |
天体嗜好症 |
8 |
宇宙遊泳 |
<MC> |
9 |
菊人形の呪い |
10 |
莫迦酔狂ひ |
<MC> |
11 |
胎内巡り |
12 |
阿片窟の男 |
<MC> |
13 |
天国に結ぶ恋 |
14 |
もっと光を! |
15 |
あやかしの鼓 |
16 |
針の山 |
<アンコール1> |
17 |
エキサイト |
18 |
大予言 |
<アンコール2> |
19 |
ダイナマイト |
情報・投稿・忠告・激励・罵倒メールは:ecag@st.rim.or.jp
までよろしくお願いします。
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